サッカー日本代表は11日、14日のガーナ代表戦に向けてトレーニングを行なった。取材に応じたMF佐野海舟は、代表における自身の立場に言及。11月シリーズの2試合で、自らの特徴をしっかりアピールしたいと語った。

上写真=千葉圏内で行われたトレーニング後に佐野海舟は取材に応じた(写真◎青山知雄)

自分が何ができるか、しかない

 6月に日本代表に復帰した佐野海舟は以降、国内組で臨んだ7月のE−1選手権を除き、9月のアメリカ遠征、10月の国内活動と招集され続けてきた。豊富な運動量とボールを奪う力、そして奪ったあとに前に運んでいく推進力は、試合のたびに代表チームでも重要性を増している印象だ。

 10月シリーズは同じポジションである遠藤航が不在だったこともあり、パラグアイ戦とブラジル戦の2試合に先発出場。とくにブラジル戦では印象的なパフォーマンスを見せたが、すっかり代表の常連なのでは? と問われると「全然まだまだ、満足はできないです。常連っていう感覚も自分としては全くないし、常に当落線上にいると思う」ときっぱり否定。今回の活動でも「自分のプレーをしっかり出して、チームの勝利に繋げれるようにやっていきたい」と持ち味をアピールする必要があると強調した。

「(遠藤の)コーチングの部分だったり、奪い切る力は自分に、まだまだ足りないと思うところ。もちろん真似できるものとできないものがあると思うんで、自分にできることにフォーカスを置きながら、しっかり見て、学んで吸収していきたい」
 
 佐野にとって遠藤は代表においてポジションを争うライバルである一方で、学ぶべき『生きた教材』でもある。遠藤はかつてブンデスリーガにおいて2シーズン連続でデュエル勝利数ナンバーワンに輝いているが、佐野も昨季ブンデスリーガ初挑戦だったにもかかわらず、リーグ4位の数字を叩き出した。総走行距離にいたってはリーグ1位。タイプが完全に一致するわけではないものの、2人は同じ系譜の中にあるボランチと言っていいだろう。そしてその存在は、日本にとって大きなプラスであるのは間違いない。

「常に(目の前の)試合が大事だと思いますし、その気持ちでやってきているんで、そこは変わらない。この試合で自分が何ができるかでしかないと思っているので、そこはブレずにやっていきたい」

 日本は14日にガーナ代表戦、18日にボリビア戦に臨む。佐野はいずれかの試合で先発することになるだろう。今回もピッチで「何ができるか」を示し、W杯メンバー入りに向けて一つでも多くアピールしたいところだ。