サッカー日本代表は14日に東京・味の素スタジアムでブラジル代表と対戦する。前日練習後に取材に応じたMF鎌田大地(クリスタル・パレス)は個の能力の差を認めた上で、日本の現在地を知ることができる「重要な試合」と位置づけた。

上写真=味の素スタジアムで前日練習を行なった鎌田大地(写真◎青山知雄)

カウンターが鋭いイメージ

 韓国を5−0で粉砕したブラジルの強さについて、鎌田はまだ試合の「ハイライトしか見ていない」と断った上で、その印象を語った。

「どのリーグでもそうですけど、結局は最後に個人でゴール取れるだとか、守り切れるだとか、そういう部分がやっぱり自分たちと、この世界のトップオブトップの差だと思う。1人で2枚はがして点を取ることができるし、そういう部分で個で良い選手がそろっている。あとは崩し切ってというよりも、奪ってからのショートカウンターとか、そういう部分がやっぱり鋭いイメージがある」

 そんな相手と、いかに戦うか。鎌田自身は後半途中から出場したパラグアイ戦でハマらなかったプレスについて聞いた。

「ある程度、もう割り切って行くときは行けるし、ブラジル戦は、逆に持たれる時間も多いと思うので。割り切ってそういう部分でできると思うので、また違った展開になるんじゃないかなと思う」

 引いて守ったところで、ブラジルはブロックを崩すための多彩な手段を持つ。韓国戦では5−4−1でリトリートする相手を針の穴を通すようなスルーパスやワンツー、ハイプレスからのショートカウンターで粉砕した。

「自分たちがどれだけ前からプレーできるのか。ボールを持っているときに、どれだけ自分たちがトライしてきたことができるのかっていうのが分かる試合なる」

 カタールW杯以降、日本はボール保持の時間を増やし、能動的に戦う術を手にできるかをテーマにして歩んできた。前回、2022年6月、カタール大会前にブラジルと対戦したときはボール支配率こそ48%対52%とわずかな差だったが、シュート数は6本対22本。その差は歴然で日本が主導権を握れなかった。鎌田自身も後半から原口元気に代わって出場したが、チームを勝利に導くことはできなかった。

「まだまだブラジルの選手と比べると、自分たちは個の能力は、足りてない部分が多いと思う。やっぱり結局はチームとしてどう戦うかが大事だと思いますし、だいだい彼らの良い選手がボールを持つと自分たち2人でカバーリングしながらだとか、そういうところをチームとしてやらないといけない。個のデュエルで勝つというところも大事だと思いますけど、チームとして戦わないといけないところ、戦術の部分だったりを、ピッチで100%に近い状態で表現しないと、勝てる相手じゃない。選手全員の共通意識が大事だと思います」

 責任を持って個の力を示すことはもちろん、足りない部分を補うチーム力も試されることになるだろう。

 日本は「世界一を狙う」と公言している。1930年に始まったワールカップで全大会に出場している唯一の国にして、最多5度の優勝を誇るブラジルとの対戦は、日本の現在地を測る意味でも大きい。掲げる目標が決して妄言ではないことを示せるか。鎌田と、日本の戦いぶりに刮目せよーー。