サッカー日本代表は10日、大阪・パナソニックスタジアム吹田でパラグアイ代表と対戦し、2−2で引き分けた。後半アディショナルタイムという土壇場で追い付いたが、上田綺世のゴールをアシストしたのが、長らくケガで苦しんできた伊東純也だった。

上写真=パラグアイ戦で先発フル出場を果たした伊東純也(写真◎毛受亮介)

ストレスなくプレーできる部分が増えてきた

 土壇場で精緻なクロスを放った。1−2で迎えたアディショナルタイム。右サイドからGKの出られない場所へボールを送ると、ニアサイドでジャンプした瀬古歩夢を通り過ぎ、ファーサイドでフリーになっていた上田綺世に届いた。89分にピッチに入っていたストライカーは頭で冷静にプッシュ。伊東純也は、日本の同点ゴールをアシストした。

「(試合中)クロスをどこに上げようかとか、低いボールを狙ったりとかやっていましたけど、1回ぐらいしか合っていなかったんで、最後に合ってよかったなと思います」

 ここしばらくケガを抱えてのプレーが続き、代表では精細を欠く試合もあった。しかし、この日は相手に怖さを与える、そんなプレーが随所に見られた。無双を誇った伊東が帰ってきた印象だ。

「ケガがありましたけど、徐々にコンディションが上がってきて、前回の代表が終わってからヨーロッパリーグもあって本当に中2日、中3日でずっと試合が続いてましたけど、うまく休みも入れながらコンディションを維持できていたと思う。ここからもっと足首が万全になって、コンディションも上がってきて、もっと自分らしさを出せればいいかなと思います」

 この夏、スタッド・ランス(フランス)から古巣であるゲンク(ベルギー)に移籍したが、ここまでチームをけん引する活躍を見せている。

「痛みが少し取れてきたんで、ストレスなくプレーできる部分が増えてきた。完全に取れれば、思い切ったプレーがもっとできるようになるかなと思います」

 森保一監督は、ウイングが日本の一つの武器と繰り返し話してきた。三笘薫や堂安律に加えて、万全な状態なら伊東純也も強力な武器だ。その武器を生かす上でも、チームとしては守備が重要になる。今後について、伊東はこう展望した。

「もちろん(守備のときには)5バックになるので、守備をすることはもちろんありますし、引いたときはとにかくウイングにやられないところだったり、クロスでファーに上がってきたらうまく対応するところはやっていて、あんまりそういうシーンが今日なかったですけど、そういうシーンが出てきたら、まずは目の前の相手に負けないようにやらなければいけない」

 パラグアイ戦でフル出場しているため、伊東に出場機会があるかどうかはわからないが、次は中3日でブラジル戦。勝利のために全力を注ぐ。