サッカー日本代表は10日、キリンチャレンジカップ2025でパラグアイ代表と対戦する(19時20分開始/@パナソニックスタジアム吹田)。強豪国ひしめく南米予選を6位で突破し、4大会ぶりのFIFAワールドカップ(W杯)出場権を獲得したパラグアイ代表はどのようなチームなのだろうか。

先発決定はコンディション重視で

前日練習のためにパナソニックスタジアム吹田に来たパラグアイ代表の選手たち(写真◎舩木渉)

 かつてはロケ・サンタクルスやオスカル・カルドーソといった欧州でプレーする選手たちが中心を担っていたパラグアイ代表は、世代交代を経てアメリカ大陸の各国トップリーグで主力を張る選手たちがほとんどを占めるチームへと生まれ変わった。もしかすると15年前よりも“南米っぽい”チームかもしれない。

 だが、そうなったことによる難しさにも直面している。今回の日本代表戦に向けて北米や南米から移動してきた選手たちは来日のタイミングがバラバラで、全員揃って練習できたのは9日午前の一度だけだった。

 試合前日18時半から予定されていた公式練習でスパイクを履いてボールを触ったのはGKたちだけで、8日と9日に2日続けてあえて朝9時半から練習をしたのも、時差への適応や体力回復を意識してのことだろう。コンディション調整にはかなり難儀しているように見える。

 アルファロ監督は「長時間の移動や時差というのは常に直面する問題です」と述べながらも、試合に向けたメンバー選考も含めて難しい判断を迫られる現実への苦悩を隠さなかった。

「日本代表戦に関しては特に時間がないですし、本当に直前になって合流してきた選手もいます。その例がマティアス・ガラルサです。彼はリーベル・プレートでプレーしており、アルゼンチンで日曜日(5日)の夜に所属クラブでの試合に帯同していました。その試合が行われていたのは、時差を踏まえると日本の月曜日(6日)の朝です。その後、彼はアルゼンチンの地方(ロサリオ)から移動を始めて、長旅をして日本へ到着したのは水曜日(8日)の夜でした。

 普通であれば彼をスタメンに選びたいところですけれども、フィジカルコンディションや時差のことを踏まえると、まだ彼の体は十分に順応できていないと思いますので、明日のメンバーを選ぶ際には、より移動が少なかった選手、あるいはより早く日本に到着していた選手を考慮していくことになるかと思います」

 守備の堅いパラグアイ代表は、ここ数ヶ月の試合でなかなかゴールを奪えていない日本代表にとって真の力を試される相手になるだろう。だからこそ、できるだけ多くの選手がベストに近いコンディションで試合に臨めることを願いたい。ベストメンバーを組むことが難しくともピッチに立った選手個々が本来のパフォーマンスを発揮できるなら、苦手とする南米勢の攻略法を見つけるうえで実り多い90分間になるはずだ。

文責◎舩木渉