変更した4バックを広げられ、間を突かれる
3バックの右ストッパーで先発し、後半は4バックの右CBでプレーした関根(写真◎Getty Imges)
後半から日本は4バックに変更していた。この場面で、右サイドバックの望月ヘンリー海輝はアメリカの左ウイングバック・アーフステンをマークしていたため、よりサイドライン寄りにポジションを取っていた。そして失点につながった一連のプレーは、望月と、3バックの右ストッパーから4バックの右センターバックにポジションを変えた関根の間を使われたのだった。
アメリカはウイングバックが幅を取り、日本の4バックの間隔を広げて攻撃してきた。まさにセオリー通りの攻め。本来なら日本は4バックがスライドして守ればいいのだが、FK、すなわちリスタート直後だったため、プレーが一瞬止まったことでスキが生まれてしまう。結果、セオリー通りの守備で対応することができなかった。
望月、関根、荒木と代表キャリアの浅い選手が最終ラインに多かったこと、関根自身があまりプレーしていない4バックの右センターバックであったこと、そして左センターバックの荒木隼人も所属するサンフレッチェ広島で3バックの中央を務めており、長らく4バックでプレーしていなかったことなど、他にもさまざまな要因がこの失点につながったように思われる。
とはいえ要因がはっきりしているのなら、同様の失点は防げるはずだ。代表活動の時間は限られるが、原因の究明さえできれば、解決法は必ずあるものだ。重要なのは、ここで得た教訓を次に生かすこと。
「(フランスリーグの)2部ですけど、ウインガーとか、やっぱり強力な相手はいるので、そういう選手を完全に抑えるっていうのは意識してやっていかないといけないと思いますし、あとは半年でもっとチームで活躍して、とにかく高い(レベルの)リーグに環境を移すのが本当に大事になってくると、今日、アメリカとの試合をしていても感じました」
関根はさらなるレベルアップの必要性を口にした。それは個人の立場からできる、失点を減らす解決法の一つだろう。すべてはワールドカップのメンバー入りを果たすため、そしてその舞台で日本の勝利に貢献するため。
この日の教訓を胸に刻み、関根はクラブでプレーする日常から向上を心がけて、来年6月のアメリカ再訪を目指す。
取材・文◎佐藤景(現地)