上写真=藤田譲瑠チマとプリシッチの争い。自由にプレーされたことを悔やんだ(写真◎Getty Images)
■2025年9月9日 国際親善試合(観衆20,192人/@コロンバス)
アメリカ 2-0 日本
得点:(ア)アレックス・センデハス、フォラリン・バログン
「スペースをうまく使われて展開されて」
「チャンスをもらった以上、何か残したかったんですけど、それをすることができなかったので、すごい悔しいです」
この言葉に尽きるだろう。藤田譲瑠チマの代表4試合目は悩ましいものになった。佐野海舟とボランチでコンビを組み、パリ・オリンピック世代からの底上げを期待されたが、中盤を支配された。
「守備の面でいったら、相手のボランチの選手たちが少し下がって、自分たちがついていかないといけなくなり、スペースをうまく使われて展開されて、前半から苦しかった」
前半は日本もアメリカも3-4-2-1の立ち位置で、ぴったりかみ合うことになった。ギャップをどう作っていくかを練ったアメリカの策略に後手を踏んだ格好だ。シャドーに入った2人、クリスチャン・プリシッチに翻弄され、アレックス・センデハスに先制ゴールを浴びたのも、まさにその結果だった。
攻撃でも主導権を握る回数は少なかった。
「攻撃の部分でも(相手の守備が)アグレッシブにきている中で、なかなか自分のところはボールを受けることができなかったので、すごく難しかった」
足元にボールを置いてさまざまに展開するのが藤田の真骨頂。しかし、ボールを受けることもままならず、相手の嫌がる場所に送り届ける回数も少なかった。
「もうちょっとボールを受けるための動きだったり、自分がボールを受けながらうまくコントロールしてテンポを上げられたらよかった」
メキシコ戦から11人全員を変え、コンビネーションに改善の余地があったことは確かだ。だからこそ、中盤の中央に立つ藤田がもっと個の力でチームをリードすべきだったと悔やむ。
「なかなか自分たちの良さを出し切る試合展開にはならなかったので、すごく難しかった。自分が対峙してた4番(タイラー・アダムス)もそういった働きがすごくうまい選手だったので、そこで負けてたなと」
62分に鎌田大地に代わってピッチを去った。いかに自分の最大限をチームの中で出し切るか。藤田は今季加入したドイツのザンクト・パウリでリーダーシップを磨いていく。