サッカー日本代表は現地9日、アメリカ・オハイオ州コロンバスでアメリカ代表と対戦した。6日のメキシコ戦から先発11人を入れ替えて臨んだ試合は、2失点を喫して完敗。9月シリーズの2試合はこれで1分け1敗。無失点で終えることになった。

上写真=日本は、W杯開催国のアメリカにペースを握られ、0−2で敗れた(写真◎Getty Images)

■2025年9月9日 国際親善試合(観衆20,192人/@コロンバス)
アメリカ 2ー0 日本
得点:(ア)アレックス・センデハス、フォラリン・バログン

相手にやりたいことをやられて敗戦

 メキシコ戦から先発を総入れ替えした日本は同じく3−4−2−1システムを採用し、開始20分までは積極的なプレスでアメリカを押し込んでいった。しかし展開も前の試合と同様に、序盤でゴールを奪い切ることはできず、ややペースを落としてミドルゾーンで相手を迎え撃つようになった。

 アメリカ代表も同じ3−4−2−1でミラーゲームを戦うことになったが、代表経験の浅い選手がピッチに並ぶ日本が次第に劣勢になっていく。3バックを組んだ左右のCB長友と関根が、タイミングよく下がってファジーなポジションを取る相手の2シャドー、センデハスとプリシッチを放すシーンが目立ち始めたのが、その一因だろう。アメリカの生命線とも言える2人のボールに触れる機会が増え始めると、日本はたびたび受けに回ることになった。

 30分には、日本がやりたかった攻撃から失点することになった。アーフステンに日本の右サイドからクロスを許す。望月が対峙していたが、タイミングを外されてしまった。そのプレーに連動し、長友は一瞬、ゴール方向に重心を傾けてから対応することになった。結果、センデハスにフリーで左足ボレーを決められた。

 1点リードされたまま迎えた後半、日本は前半、右足首を痛めた長友に代えて瀬古を投入し、システムを4−2−3−1に変更。4バックは左から瀬古、荒木、関根、望月の並びになった。守備の局面で4−4−2でセットして対応する狙いとともに、相手の右ウイングバック、フリーマンをマークすることで自陣深い位置でプレーするケースが多かった前田をより高い位置でプレーさせる意図があったと思われる。

 しかし、その狙いをピッチで表現できず、日本は62分に鈴木に代えて南野、前田に代えて三笘、藤田に代えて鎌田と3枚替えを実施。それでもすぐに状況を好転させることができず、直後の65分に2点目を献上することになった。

 プリシッチにボールが入った瞬間に佐野海がアプローチしたが、前進を許し、最後はボックス右からバログンに決められてしまった。

 得点で勢いに乗ったアメリカに押し切れる形でその後は何度もピンチに陥った。大迫が最後の砦として好セーブを連発しなければ、さらに失点を重ねていたかもしれない。

 試合は0−2で決着。日本はやりたかったことをアメリカにやられて、敗戦。試合前日の会見で森保一監督は代表経験の浅い選手たちを積極起用することで「リスクや不具合が生じるかもしれない」と話していたが、その言葉通り、最終予選を戦ったコアメンバーで編成するチームとの差が浮き彫りになる結果となった。

取材◎佐藤景(現地)