サッカー日本代表は現地9日、アメリカ遠征の2戦目でアメリカ代表と対戦する(日本時間10日8時37分開始/@Lower.comフィールド)。来年のワールドカップ(W杯)開催国の1つでもあるアメリカ代表はどんなチームなのか。森保ジャパンの次なる相手の現状を探った。

まだまだ選手をテストしている段階

就任後、積極的に選手をテストしているポチェッティーノ監督(写真◎Getty Images)

 ここまでの経緯から分かる通り、自国開催のW杯に向けた重要な3年間で「監督」が5人もいれば、継続的なチーム強化は望むべくもない。開催国ゆえにW杯予選がなかったことを活かして強豪国との親善試合を多く組んできたが、ブラジル代表と1-1で引き分ける直前の試合でコロンビア代表に1-5と大敗していたり、今年6月にはトルコ代表、スイス代表という欧州の中堅国に2連敗を喫したり。こうした結果からもチームの不安定さがうかがえる。

 ポチェッティーノ監督も現時点で就任から約1年しか経っておらず、まだ候補となる選手を試しながらベストな組み合わせを探っている最中だ。9日の日本代表戦もテスト色の強いメンバーやゲームプランを組んでくるのではないだろうか。

 今後の注目ポイントは、まずセンターバック。ベテランのリームを軸に、相方を誰にするのかは懸案事項だ。韓国代表戦で不安定さを露呈したブラックモンよりも、若いリチャーズを推す声は根強いが、初招集となった18歳のノアカイ・バンクスなど候補は他にもいる。

 また、1トップの人選にも頭を悩ませているだろう。ジョシュア・サージェントは前線でプレッシングの起点となり、ポストプレーなどでもチームに貢献するが、先発出場した韓国代表戦では62分までのプレーでペナルティエリア内でのボールタッチが一度しかなく、シュートは1本もなかった。

 一方、サージェントに代わって途中出場したフォラリン・バログンは28分間の出場で4本ものシュートを放ち、ゴールポスト直撃も含む3本をゴールの枠内に飛ばすなど存在感を発揮した。ペナルティエリア内でのボールタッチも11回と、短時間でもゴールに迫る勢いで違いを見せた。

 かつてスタッド・ランスで伊東純也とホットラインを形成し、現在はモナコで南野拓実と同僚のバログンは負傷などの影響により韓国代表戦が約1年ぶりの代表復帰。日本代表戦では先発起用も予想されており、絶好のアピールチャンスで真価が試される。

 今回はミランからアタランタへ期限付き移籍したユヌス・ムサや、PSVアイントホーフェンからレヴァークーゼンに加入したマリク・ティルマン、ドルトムントからボルシアMGに新天地を求めたレイナなど今夏に移籍のあった欧州組の有力選手たちが選外となっている。

 また、ユベントス所属のマッケニーやPSVのリカルド・ペピ、イングランド2部コヴェントリーでリーグ戦4試合出場4得点と絶好調のハジ・ライトも招集メンバーから外れている。W杯本大会でも主軸になりうる選手たちを欠いた編成で競争の活性化とチーム戦術の確立を目指すアメリカ代表は、サムライブルーとの一戦でどのような改善を見せてくるだろうか。

取材◎舩木渉