上写真=アメリカ遠征初日のトレーニングで汗を流す板倉滉(写真◎サッカーマガジン)
あの日、ゴールを決められた選手との再戦
現在、日本代表のセンターバック陣にはケガ人が相次いでいる。冨安健洋(無所属)と伊藤洋輝(バイエルン)がまだ回復過程にあり、しばらくプレーしていない状況が続いており、ホッフェンハイムの町田浩樹はシーズン開幕戦のレバークーゼン戦(8月23日)で左膝前十字靭帯を断裂し、復帰まで多くの時間を要することになった。
今夏、川崎フロンターレからトットナムに移籍した高井幸大もケガを抱えており、谷口彰悟(シント=トロイデンVV)は本格復帰しばかりで今遠征は招集外。さらに当初、メンバー入りしていたアビスパ福岡の安藤智哉も直前でケガのために招集を見送ることになった。
アメリカ・オークランドで初日の練習を終えた板倉滉は日本のCB陣の状況について問われて、答えた。
「この時期、シーズン始まってすぐということもあるし、筋肉系とか、いろいろ多くなってしまうような時期ではあると思う。もちろん自分も気をつけながらやっていましたけど、ケガ人が出ると、日本人がケガするニュースを見るのは、自分にとってもすごいつらい。幸いは軽傷という形で今ここに来れている。引き続き、気を引き締めてやっていかないといけない。そういう時期でもあると思います」
自身もボルシアMGから移籍したアヤックスでここまで2試合プレーしたが、軽傷とはいえ、様子を見ながらおよそ60分でピッチを退いていた。
「ワールドカップに向けて数少ないテストマッチでもあると思うし、今回もすごく良い相手と試合ができる。自分を含め、本当にみんなでコミュニケーションを取りながら、大事な試合にしないといけないと思います」
チームの主軸であり、守備の要である板倉に対する期待は大きい。今遠征の初戦は6日のメキシコ戦。
「(東京)オリンピックの時もタフだなっていうのはすごい感じたし、1試合目は勝つことができて、あの2試合目で最後にあの負けてしまった。あのときの思いは今でも覚えている。やっぱり、連戦続く中で強度が落ちずに激しく戦ってくる相手だっていうのは、すごく感じていた。そのチームとこうやって、A代表として戦うことができるのはうれしいし、ここでちゃんと勝てればいいというのがあります」
東京オリンピックで対戦した際、グループステージでは2−1で勝利を収めたものの、3位決定戦で再び相まみえたときには1−3で完敗し、メダルを逃すことになった。あの試合でゴールを決められたアレクシス・ベガもヨハン・バスケスも、グループステージでネットを揺らされたロベルト・アルバラドも今回、招集されている。
「ここまで最終戦も含めてアジアのチームと戦ってきた中で、なかなかこうやってメキシコだったり、アメリカと戦える機会というのはない。また違った激しさだったりいうのがあると思う。そういう相手に対してもやっぱり戦えないといけないし、その意味ですごくいいテストマッチになればいいと思います」
森保一監督の第二次体制は、誰が出場しても力を発揮し、世界にも堂々と渡り合えるチームになることを目指してきた。およそ2年ぶりとなるアジア勢以外との対戦。しかもメキシコ戦は東京オリンピックの雪辱戦とも言える。あの日からどれだけ成長し、進歩を遂げたのか。6日の一戦は真価を示す試合でもある。