韓国で行われている「EAFF E-1選手権」で7月15日、日本は第3戦で韓国を1-0で下して全勝し、大会連覇を達成した。初の代表選出、デビュー、そして優勝と、安藤智哉にとっては未来が大きく開けた日々になった。

上写真=同じく初代表だった綱島悠斗(右)と一緒に、安藤智哉が笑顔。自らの手で勝ち取ったカップだ(写真◎Getty Images)

■2025年7月15日 E-1選手権(@龍仁)
韓国 0-1 日本
得点:(日)ジャーメイン良

「みんなで粘り強く守れていた」

「前回の一戦目よりも自分らしさが出せたと思います」

 韓国からしたら、本当に嫌なセンターバックだっただろう。日本代表でわずか2試合目の安藤智哉は、韓国のチャンスをことごとく潰してみせた。

 デビューを果たした初戦と同じく、3バックの右でプレー。ファンを大きく沸かせたのは、フィニッシュだった。19分、相手のクリアを胸で押し出すようにしてペナルティーエリアに入り、右足でシュート。しかし、わずか左に切れていった。

 もちろん、何度もその存在をアピールしたのは本職の守備でだった。

 7分、FC町田ゼルビアでプレーするナ・サンホと対峙しながら、安藤は股下を抜かれるシュートを許してしまう。ファーサイドに飛んだボールは、ポストをたたいて跳ね返って事なきを得たのだが、実は、股の下を通過するその瞬間にわずかにボールに足が触れてコースが変わっていた。それがなければサイドネットに飛び込んでいたかもしれないから、素晴らしい「ブロック」だったのだ。

 ただ、自己分析は辛口。

「ああいったところは自分としてもこの試合に限らず課題だと思いますし、スキを作ってしまうと難しいゲームになる。それは今大会を通じてすごい感じたので、福岡に帰って修正かけて、もっと個人としてもレベルアップしていきたい」

 とはいえ、押し込まれた後半にも立ちはだかった。55分、細かくつながれてイ・テソクにポケットに潜り込まれるが、コースに入ってストップ。59分にもロングパスでイ・ドンギョンに抜け出されたのだが、センタリングを止めてみせた。終盤の韓国のハイボール攻撃にも、190センチの長身を生かし、仲間と連係して守り抜いた。

「3バックは後半は植田君を入れて、より高さを出して跳ね返しましたし、コミュニケーションはすごく取れていたので、本当にみんなで粘り強く守れていたと思います」

「オ・セフン選手のようなタイプが2人出てきたので、よりボールにはっきりいこう、そのセカンドボールもいこうと、いいコミュニケーションは取れていたと思います」

 そうして、苦しんだ後半もゴールを許さずに完封勝利を果たし、優勝の栄誉に浴した。初めての代表活動は刺激的で、成長を促してくれるものだった。

「本当に素晴らしい仲間と、素晴らしいスタッフと、この短期間でつくり上げるというのはいままでにないものですし、素晴らしい経験をさせてもらったので、福岡に帰ってまたJリーグで活躍して自分の価値を上げていきたい」

 こうしてまた、日本代表に新しいパワーが加わった。