上写真=日本代表として久々にピッチに立った植田直通(写真◎Getty Images)
あのピンチは「自分の責任。ハヤに助けられた」
3年10カ月ぶりに代表のピッチに立った。植田自身、所属する鹿島で4バックのセンターバックを務めているため、3バックの中央は慣れていない。中国戦に向けた練習後には「学びながらやっている」と謙虚に話していたが、守備の中心として無失点勝利に貢献した。
「僕の役割というか、センターバックの役割として、僕はいつもドシッと構えること、僕が一番慌てないことは意識していること。そこはチームがどんだけうまくいっていないにしても、自分がブレずにしっかりと自分の仕事を淡々とこなすことができれば、チームを安定させることはできると思っているので、まずは自分がブレないこと。そこだけを意識しています」
細谷真実の鮮やかなゴールで先制したあと、1点をリードしていた17分だった。自陣に戻りながらボールを奪ったその細谷が後方の植田に戻した。植田はパスをつなぐ選択をしたが、ジャンユーニンに奪われ、そのまま抜け出されてシュートを許した。GK早川友基がビッグセーブで防ぎ、事なきを得たが、この試合、最大のピンチだった。
「あれは自分の責任だと思うし、自分があれをパスに繋ぎにいったところで、あそこで引っかかってしまった。あのシーンはハヤに助けられたとも思うし、1ー1になっててもおかしくなかったシーンだと思う。他の選手というよりかは自分の責任。だから(今後に向けては)自分でどうにかできる問題かなと思います」
植田はそう言って反省した。ただ、ピンチは招いたものの、総じて落ち着いたプレーと選択で守備を引き締めていた。長友や右CBの綱島悠斗の持ち味を出すこともしっかり意識しながら。
「真ん中というより、外で生きる選手だと僕は思っているんで、佑都さんは。やっぱりサイドバックの選手ですし、できるだけ佑都さんを前に行かせるというか、前で仕事させてあげたいなと思って。僕自身もちょっと左重心になっていたかなと思う。その点に関してはもっと前で勝負させてあげれるシチュエーションを作ってあげたいと思うし、佑都さんだけじゃなく、いろんな選手とやった時に、その人その人の個性を生かせる立ち位置だったり、そういったものを自分がやる必要あると思っています」
今回選ばれているメンバーの中では経験があると見られるが「僕もまだまだ代表の歴は浅いし、そういう立場じゃない。Jリーグの経験はあるかもしれないですけど、こういう世界を舞台にしたところで、初心を忘れずやっていく必要があると思う。まずは自分の良さを出していくこと、それを出すことができれば、いい方向に向かっていく」と、自身の立場をとらえている。
久々の代表ゲームはもちろん、通過点。植田は先を意識しつつも、目の前の試合に力を注いでいく。