サッカー日本代表のMF鈴木唯人が現地3日、トレーニング後に取材に応じた。先ごろ、ブレンビーからフライブルクへの移籍を発表。5大リーグでプレーする選手がひしめく代表でのポジション争いに意欲を示した。

上写真=3日、オーストラリア戦に向けたトレーニングに参加した鈴木唯人(写真◎サッカーマガジン)

自分とポジションを争う選手は5大リーグでやっている

 鈴木はデンマークのブレンビーからドイツのフライブルクへ移籍を決め、今回の代表活動に参加した。本人いわく、「(移籍は)1年遅くなった感じですけど、自分の中では。ようやくほかのA代表の選手たちがやっている舞台でできるので、ようやくちゃんとした評価を得られるかなと思う。非常に楽しみです」。その言葉から、移籍を決断した背景に代表で活躍を見据えていたとわかる。

「(代表で)自分とポジションを争う選手は5大リーグでやっていますし、それこそプレミアリーグでやっている人とかもいる。そういったところと比べると間違いなくリーグレベルは落ちてしまっていたので。これから、来年はヨーロッパリーグも出られますし、しっかりとチームで力を示していければいいかなと思います」

 5大リーグ以外の場所でプレーし、着実にステップした選手は多い。現代表でも遠藤航や鎌田大地はベルギーのシント=トロイデンVVで地歩を固め、今回選ばれていない三笘薫はサンジロワーズ(ベルギー)、南野拓実はザルツブルク(オーストリア)からヨーロッパでのキャリアをスタートさせた。

 鈴木自身は、清水エスパルスから2023年1月にストラスブール(フランス)に期限付き移籍したものの、買取オプションは行使されず、7月に一時、清水に復帰。そして8月にブレンビーへ加入した。そこで研鑽を積み、評価を高めることに成功。ついに5大リーグにたどりついた。

 そんなタイミングで迎えたのが今回の活動だ。当然、胸には期するものがある。

「もちろん常にサバイバルだと思っています。決して1回だけで決まるものではないと思いますけど、間違いなく今回というのは、どの選手にとってもチャンスだと思う。それは自分もわかっていますが、自分はチームでの活躍が評価されての代表だと思うし、そういうところを意識して今までやってきたので。今回は代表ですけど、ようやくチャンスをももらえるので、良いアピールができればいいかなと」

 簡単な道のりではなかったが、自らの力で道を切り開いてきた。その経験と蓄えてきた力を、今度は代表で。

「自分の持ち味であるチャンスメイクとか、攻撃を活性化させていけたらと思います」

 好機を逃さず、競争激しい2列目のポジション争いに割って入ることができるか。オーストラリア戦とインドネシア戦は鈴木にとって、真価を示す2試合になる。