サッカー日本代表は2日、5日のオーストラリア戦に向けて現地で初練習を行った。練習後、長友佑都は取材に応じ、初招集や代表復帰組が多い今回の活動における自らの役割を果たすことと、出場への意欲を示した。

上写真=先頭に立ってランニングする長友佑都(写真◎サッカーマガジン)

勝負の日々が続くなという感じ

 2日の練習では誰よりも声を出し、ランニングも先頭に立って引っ張った。代表歴の浅い選手が多い今回のメンバーにあっては、傍目でもその存在感は際立っていた。

「まだみんな緊張してるなって感じですね。初めて来た選手は緊張してるんですけど、その気持ちを僕もすごく思い出して。最初に代表に入った時は本当に緊張していたなと。香川真司と一緒に入ったんですけど、緊張していた思い出がしっかり残ってるんで、そこは緊張してる選手には声をかけたり、フォローしたりしたいなと思いますね」

 森保一監督やスタッフが長友に期待していることの一つとして、日本代表とは何たるかを選手の立場から伝えてもらうことが挙げられる。そんな役割を今回の活動でも長友は積極的に果たすつもりだ。

「代表の雰囲気とか、日の丸を背負う重みもそうだし、戦術的なところも含めて、本当に短い時間で合わせていかなきゃいけない。そこはピッチ内だけではなく、ピッチ外……食事している時とかもそうだし、そこでのコミュニケーションが非常に大事になってくると思う。テーブルも三つくらいに分かれてるんで、うまくいろいろなところを回りながら、みんなとコミュニケーションを取って、代表にいることの責任や誇りだったりを伝えていきたいなとは思います」

 2024年1月に行われたAFCアジアカップで優勝候補ながらベスト8でイランに敗れた日本は、続く活動で長友復帰させている。以降、チームが自信と誇りを取り戻し、最終予選で示したように安定感を持って戦えるようになった。もちろん長友一人の力ではないが、そのコミュニケーション能力と発信力がチーム内の風通しを良くし、一体感の醸成につながったのは間違いない。

 とはいえ、である。長友は常にベンチ外で過ごす役割を受け入れているわけではない。北中米ワールドカップまで、あと1年。ピッチに立って、プレーでもチームに貢献したいとの思いは強い。

「自分が出たら自分にしかできない魂のこもったプレーもそうだし、そこの部分では他の選手に負けたくない。球際で戦う部分もそうだし、そこはやっぱり示していきたいと思います。上手さとか技術では彼らには劣ってしまうんで、どこで上回っていくか。そこは戦う部分。そこでは絶対に誰よりも上回っていきたいなという気持ちはあります」

 昨年3月の時点で、北中米大会のピッチで躍動する自分の姿が想像できていると語っていた。

「ワールドカップに向けてのサバイバルなんで、チームとして勝つことはもちろん大事ですけど、個人でしっかりとアピールができないと、そこにつながっていかない。チームのワールドカップ出場は決まってますけど、勝負の日々が続くなという感じです」

 思い描く姿を現実にするためにも、今回の活動ではピッチに立ち、誰よりも熱く戦う長友佑都を見せたいところだろう。