上写真=合宿初日となった17日は田中碧も含め、ほぼ全員が室内でトレーニングを行った(写真提供◎JFA)
リーズでは今季35試合に出場
昨夏、ドイツのデュッセルドルフからイングランド2部のリーズに移籍した田中は、ここまでリーグ戦35試合に出場し、うちで30試合で先発に名を連ねる。特に今年に入ってからその活躍が顕著で、敵地でのハルシティ戦(1月4日)、ホームのシェフィールド・ウェンズデー戦(1月19日)で連続ゴールを決めると、シェフィールド・ユナイテッド戦(2月24日/アウェー)、ミルウォール戦(3月12日/ホーム)でもネットを揺らし、いずれもインパクトのあるゴールで存在感を示した。
「もちろん評価が高まっているのはうれしいですけど、でも課題もやっぱりたくさんあるなと思います。シーズン後半には入っていますけど、試合数も多い中で自分自身のパフォーマンスというのも、多少疲労だったりで下がっている部分を個人的には感じるし、毎試合、維持するのは簡単ではないですけど、そこはまだまだだなとは思う。
こういう中でもどれだけ高いパフォーマンスを出せるのかは、週に3試合あったりとかする中で、まだまだ試行錯誤しなくちゃいけないとは思いますけど、ただ怪我なくやれているのと、ゴールだったりアシストもやっと付き始めているのはポジティブかなと思います」
リーズは現在、リーグ首位。「世界最高峰の」プレミアリーグ昇格が現実味を帯びる中、大黒柱としてチームをけん引している田中は、ワールドカップ出場権がかかる20日のバーレーン戦でも、日本代表を勝利に導く働きが期待されている。守田英正が故障明けであることを考えれば、遠藤航とともにボランチコンビを組むことが濃厚だ。
文字通りの大一番となるが、初日の練習を終え、取材に応じた田中には気負ったところが全くなかった。
「親善試合だろうが最終予選だろうが、毎試合勝つのがやっぱり代表として戦う宿命だと思う。相手が強かろうが弱かろうが、そこは意識していない。全試合に勝つということを意識しています」
前回大会の予選では、敵地でオーストラリアに勝って突破を決めているが(2022年3月24日)、その試合でも先発している田中にとっては、W杯出場がかかる1戦も通過点に過ぎないのかもしれない。バーレーン戦に向けた心境と前回予選との自身の変化を問われると、「自分たちが掲げている目標は高いので、そういう意味ではそんなに一喜一憂するというよりかは、目の前の試合に勝って成長し続けて、より強い集団に、個人的には強い選手になりたい。それがワールドカップでは大事だと思う。そのために準備できればいいかなと思います」と力強くコメントした。
8大会連続8回目のW杯で「掲げる目標」を果たすために。田中は目の前の試合に、一戦必勝で臨む。