北中米ワールドカップのアジア最終予選で、日本代表は11月15日にインドネシアと対戦した。これが折り返しの一戦となるが、完全アウェーの中、4-0で勝利を手に入れた。最後のゴールは菅原由勢が決めたもの。プレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いた。

上写真=菅原由勢が途中出場で4点目を決めてこの笑顔!(写真◎Getty Images)

■2024年11月15日 北中米W杯・アジア最終予選5節(@グロラ・ブン・カルノ・スタジアム)
インドネシア 0-4 日本
得点:(日)オウンゴール、南野拓実、守田英正、菅原由勢

「今日の勝利はもう忘れて」

「得点を重ねてはいたものの、流れ的にインドネシアが素晴らしい立ち上がりを見せていたので、その流れを断ち切ってほしいということと、相手が点がほしくて前がかりになるところでそこをしっかり抑えること、そして前がかりになった裏のスペースを突いていくという指示でした」

 菅原由勢が、まさにその指示のとおりに駆け出した。

 62分に右ウイングバックとしてピッチに登場すると、その7分後だった。右のシャドーの伊東純也に預けてリターンを受け、相手の前にぐっと抜け出してからペナルティーエリアの中へと突き進んでいった。クロス、と見せかけて、さらに進んでから右足を一閃。角度のないところからGKと右ポストの間の小さなコースをずばりと射抜く強烈なショットで、勝利を決定づける4点目をもぎ取った。

 プレーヤー・オブ・ザ・マッチにも輝いたが、試合後に口にしたのは、喜びよりも悔しさだ。これが最終予選5試合目にして、ようやくの出場になったからだ。

「最終予選が始まってから自分自身、悔しい思いを今日これまでしてきたし、今日だってスタメンに名前がなかったときはやっぱり悔しかった。そういう気持ちは僕の原動力になっていると思うし、自分に対していら立ちというか、他の人に矢印を向けそうなときもありましたけど、サッカー選手はピッチに立って自分を証明することが日頃の結果につながってくると思っていました。その意味で、今日は結果を残してやろうという気持ちで入ったので、 まずは結果を残してよかった。そして、これまでしっかりサポートしてくれた人たち、監督も含め選手も常に励ましてくれたし、僕のモチベーションを上げるための言葉をくれていたので、全員に感謝したいです」

 自らのゴールで4点差をつけてからは、お互いに疲労もあって動きの少ないゲームになったが、得意の強烈なミドルシュートも見せるなど、存在感は抜群。次の中国戦でも活躍を誓う。

「勝ち点3、ただそれだけが必要になってくると思うので、今日の勝利はもう忘れて次に向けて集中していきたい」

 それでも、これまでの悔しさと日々の努力がゴールとして実を結んだことまでは、忘れなくていい。