日本代表は15日、ジャカルタで北中米ワールドカップ・アジア最終予選のインドネシア戦に臨んだ。立ち上がりはミスも出てペースを握れなかったが、徐々に攻撃の形を作ると、多彩なパスで相手の守備陣を攻略。次々とネットを揺らし、後半は新戦力を試す余裕も見せて4−0で勝利。グループ2位のオーストラリアに勝ち点7差をつけることとなり、首位独走状態となった。

上写真=日本は4ゴールを集めてインドネシアに快勝した(写真◎Getty Images)

■2024年11月15日 北中米W杯・アジア最終予選5節(@グロラ・ブン・カルノ・スタジアム)
インドネシア 0−4 日本
得点:(日)オウンゴール、南野拓実、守田英正、菅原由勢

終盤、大橋が代表デビュー

 激しい雨の中でキックオフされた試合。序盤は3−4−2−1で臨んだ日本の3バックにミスが相次いだ。9分、アバウトなボールを蹴られて板倉がカバーに入ったがバウンドを見誤り、オラットマングーンに抜け出されてしまう。GK鈴木が距離を詰めて右足でシュートをブロックしたが、危ないシーンだった。

 町田と橋岡もボールがスリッピーなピッチでボールを処理しきれず、相手にボールを運ばれるシーンが散見。そのたびに詰めかけたインドネシア・サポーターが大歓声をあげ、スタジアムのボルテージは上がった。

 14分には日本の左サイドを破られ、ディクスにクロスを許す。飛び込んだストライクには合わなかったが、あわやの場面を作られた。

 ここで失点しなかったことが大きかった。15分を過ぎて落ち着いてボールを回し始めた日本は、徐々に攻撃の形を作り始める。35分には日本らしいつなぎからネットを揺らした。

 GK鈴木、板倉、守田、堂安、鎌田、遠藤、町田、守田、鎌田とボールをつないでボックス左から鋭いクロスを送ると、飛び込んだ小川の手前でクリアを試みたハブナーがボールをゴールに蹴り込んでしまう。記録はオウンゴール ながらパスをつないでインドネシアの守備を崩し、先制ゴールを手にした。

 その5分後にも日本は追加点をマークする。機に臨み時に応じてシャドーの位置から後方に下がり、ビルドアップに加わっていた鎌田がこの場面でも抜群の判断を見せる。下がった鎌田がスルーパスを通し、ラインの裏で受けた三笘が低いクロスを送ると、走り込んだ南野が左足を合わせてシュートをネットに突き刺した。

 前半を終えて2−0とした日本は、後半開始から南野に代えて前田を投入。前田は左ウイングバックに入り、それに伴って左ウイングバックの三笘が左シャドーに、左シャドーだった鎌田が右シャドーにポジションを移した。三笘は前半から守備でも奮闘し、かなり上下動を強いられていた。そのことを考慮した交代だったのかもしれない。

 49分、日本は相手のミスに乗じて3点目を奪う。GKパエスのミスキックをボックス手前で守田が回収。キックフェイントを一つ入れてシュートを放つと、ボールがゴール左下に吸い込まれた。イツェスが守田のシュートを右足でクリアしようとしながら蹴り損ねたことも大きかった。

 62分には、堂安に代えて菅原、三笘に代えて伊東を投入。同時にフォーメーションを3−4−2−1から4−2−3−1に変更したかにも見えたが、メンバーをリフレッシュさせて、さらに攻撃を加速させた。

 69分、右サイドで菅原が伊東とワンツーを決めて抜け出すと、そのままボックス内に進入。ゴール前に味方が詰めていたが、ニアサイドをぶち抜き、日本が4点目を記録。『サイドバック』のないフォーメーションを採用するチーム事情から最終予選でなかなか出番を得られなかった菅原のゴールに、ベンチからも次々と仲間が飛び出し、祝福の輪を形成していた。

 試合はそのまま4−0で決着。日本は難しいとされるインドネシアとのアウェーで完勝を飾り、きっちり勝ち点3を積み上げた。前日、グループC2位のオーストラリアと3位サウジアラビアが引き分けたため、これで2位との差は勝ち点7。日本は5節を終えて日本は首位独走態勢に入った。

▼出場メンバー
・日本:GK鈴木彩艶、DF橋岡大樹、板倉滉、町田浩樹、MF堂安律(62分:菅原由勢)、遠藤航、守田英正、三笘薫(62分:伊東純也)、南野拓実(46分:前田大然)、鎌田大地(79分:旗手怜央)、FW小川航基(79分:大橋祐紀)