日本代表は10日、北中米ワールドカップのアジア最終予選第3節、サウジアラビア戦に臨んだ。過去、敵地ジッダでの試合は3戦全敗だった日本だが、鎌田大地と小川航基がネットを揺らし、2−0で快勝。グループCの首位攻防戦を制すとともに、負の歴史にピリオドを打つことに成功した。

上写真=14分、見事な連係から鎌田大地がゴールを決め、日本が先制した(写真◎Getty Images)

■2024年10月10日 北中米W杯・アジア最終予選3節(観衆56,283人@ジッダ)
サウジアラビア 0−2 日本
得点:(日)鎌田大地、小川航基

左右に揺さぶって決めた見事な先制点

 日本は最終予選で連勝スタートを飾ったフォーメーション、3−4−2−1を採用。堂安、三笘という攻撃的な両翼で試合に臨んだ。

 一方、3バックも予想されていたサウジアラビアは4−1−4−1を採用。構造上、日本の陣形に対して『浮いた』状態になるアンカーのアルマリキをビルドアップの出口にして前進する狙いがあったと思われる。だが、日本も2シャドーと2ボランチが状況を見つつ、距離を詰めて警戒。簡単にはボールを運ばせず、14分には見事な連係から早速ネットを揺らした。

 右サイドの堂安から送られたサイドチェンジのパスを三笘がダイレクトで折り返し、ボックス右にポジションを取っていた守田がヘッドでさらに折り返す。そこへ鎌田が走り込み、左足ボレー。相手守備陣を揺さぶって揺さぶって先制点をスコアした。

 リードを奪われる形になったサウジアラビアは左ウイングのサーレム・アルドサリ、右ウイングのアイマン・ヤフヤの突破力を生かして攻めに出るが、日本も両ウイングバックがしっかり引いて対応。押し込まれて連続攻撃を浴びる場面もあったが、前半は1点リードで終えた。

 迎えた後半、日本はイエローカードをもらっていた右シャドーの南野に代えて伊東を投入。それに伴い、右ウイングバックだった堂安がシャドーへポジションを移した。

 大声援をバックに攻めの圧力を増したいサウジアラビアに対して、日本は冷静に対応し続け、鋭い出足と激しいアプローチで決してペースを渡さない。鎌田が前田に代わった63分以降は、右の伊東と左ウイングバックに入った前田、シャドーにポジションを移した三笘がカウンターの担い手となり、素早い切り替えから敵陣への進入を繰り返した。

 79分には守田のサイドチェンジから伊東が内側に切り返し、流れたボールを上田に代わって出場していた小川がシュート。相手に当たって枠を逸れたが、続く右CKでその小川がきっちり仕事をやってのける。

 伊東が入れたボールを打点の高いヘッドで叩き、チームの2点目をスコア。値千金のゴールが決まると、スタンドのサウジサポーターが一人、またひとりと帰り始めた。
 
 試合はそのまま2−0で決着。日本は未勝利だったジッダでグループCの首位攻防戦を制し、負の歴史にピリオドを打った。これで最終予選は3連勝。本大会出場に向け、力強く前進してみせた。

取材◎佐藤景(現地)