上写真=18時半時点で持参した温度・湿度計は気温30.2度、湿度84%を示していた(写真◎佐藤景)
過去3戦はいずれも後半に失点して敗れる
酷暑、酷暑と言われるが、実際どのくらいの暑さの中で試合をすることになるのか。試合時間は現地21時開始なので、まったく同時刻ではないものの、前日会見で訪れたスタジアムで計測してみた。18時半の時点で持参した気温・湿度計を見ると、ご覧の通り。明日の試合開始時刻の予想気温は30度。湿度も高そうで、選手の消耗は相当なものになりそうだ。
日本はこれまでジッダで3度試合に臨み、いずれも0−1で敗れている。最初は2006年9月3日、アジアカップ2007予選。イビチャ・オシム監督に率いられたチームは73分に失点し、敗れることになった。
2度目は2017年9月5日、ロシア・ワールドカップの最終予選。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督のもとで戦い、63分に失点して敗れている。日本はその試合の5日前にオーストラリアを下してW杯出場を決めており、その点は差し引いて考える必要があるかもしれないが、引き分けることも勝ち切ることもできなかった。
そして3度目が前回のワールドカップ予選。今回と同じく森保一監督のもとで戦ったが、暑さと大観衆の中、やはり後半に疲れが出て、ミスから自滅した。71分に柴崎岳から吉田麻也へのパスが乱れて相手にインターセプトを許すと、ボックス内に持ち込まれて失点した。
3試合はいずれも後半に失点して敗れている。暑さ、さらに完全アウェーの雰囲気の中で後半に集中力を欠くような展開になった。同じ徹を踏まないことが重要だ。
多くの選手が認めているように、サウジアラビアは個の能力が高く、ポゼッション志向が強い。そんな相手に押し込まれる展開となって守備の時間が極端に長くなると、やはり暑さの影響をまともに受けてしまう。だからこそ、ある程度、ボールを握る展開に持っていきたいところ。そうした試合運びや早めの選手交代も含め、タフなアウェーゲームを乗り切るポイントを着実に実践することが必要になる。
「完全アウェーで難しい試合になる」と前日会見で指揮官は気を引き締めた。過酷な環境で難敵を下せば、日本は3連勝を飾ることになり、さらに優位な状況で最終予選を進むことができる。
注目の一戦は日本時間10日27時にキックオフ。暑さと完全アウェーの雰囲気にのまれることなく、自分たちのやるべきことを全うできるか。注目だ。
取材◎佐藤景