上写真=8日の練習後に取材に応じた守田英正(写真◎佐藤景)
普通に持たれる時間もあるでしょう
敵地ジェッダで戦ったサウジアラビア戦は、過去3戦して3敗。鬼門と言える場所で日本は10日に4度目の正直を狙う。
カタールW杯のアジア最終予選、2021年10月7日の前回対戦で柴崎岳に代わって73分から途中出場した守田は、完全アウェーを経験している一人だ。
「最初、自分たちのしたいこととか、今まで用意してきたことというよりも、本当にのまれないこと、受けないことを重視しないといけない。そこからまず試合に入るべきだと思う。僕たちがボールを仮に持ちたいとなったとしても、最初はある程度、大胆なサッカーを強いられると思うし、球際とかセカンドみたいな根本的な部分、そこでデュエルで勝っていけるかが、より自分たちにとってのアドバンテージに変わっていくと思うので。そういうサッカーを強いられる、そういう試合展開になるのかなと思います」
守田の頭の中はすっかり整理されていた。酷暑やアウェーの雰囲気に左右されることなく、ピッチ上の情報を収集と把握に努めてやるべきことをやる。鬼門と言われる敵地のサウジ戦でもそれは変わらない。相手の出方を見極め、戦うだけ。
サウジは日本を除けば、グループ内で最もボールを持てるチームと目されるが、その点はどう考えているのか。
「いやもう、普通に持たれる時間もあるでしょうし、自分たちがすごい疲弊して、気候もあるんで、ブロックをすごく組まされて、ちょっとバラバラで、ボールホルダーに守備にいくけど、またはがされて帰らないといけないみたいなシチュエーションは絶対起こり得ると思う。ただそうであっても、どこで割り切って持たせるかとか、アジアカップのときのようなロングボールの処理だったり、蹴られたときのセカンドボールの対応とか配置みたいなものは、あそこからすごく反省して今の練習でも意識している部分は多いので。仮に持たれても、相手の狙いをちゃんと見るというのが大事なのかなと思います」
とりわけボランチが最終ラインに吸収されてセカンドボールの回収がままならなかったアジアカップの試合とは、同じ徹を踏まない。考えられるシチュエーションに対応する準備を進めていた。攻撃のビルドアップについても、臨機応変な対応をシミュレーション済みだ。
「相手の出方とかによって変わりますけど、自分たちが3バック+2枚で構えてビルドアップするのか、プレッシャーがあまりかからないんだったら僕が前めに入って、10番っぽく振る舞ったりとか。相手が自分たちの3枚に対して3枚を当ててきて、すごいハイプレスをするんだったら自分が一個下りて4枚にするだとか。それは相手次第なんで。でもその予測というか、イメージは今すでに持っているんで。問題ないと思います」
中心の一人してチームを引っ張ってきた守田。日本の強みであり、今回の最終予選で躍動する攻撃的な両アウトサイドの生かし方を最も心得る一人でもある。いかにボールを配るかも注目されるポイントだろう。
過去全敗という負の流れを止める一戦とできるか。
歴史の更新に、守田の働きは欠かせない。
取材◎佐藤景