サッカー日本代表は8日、メンバー27人全員がそろい、サウジアラビア・ジェッダで練習を行った。この日は藤田譲瑠チマが練習後に取材対応。約2年ぶりに復帰した代表への思いを語った。

上写真=2年ぶりに復帰した日本代表の練習で汗を流す藤田譲瑠チマ(写真◎佐藤景)

久々と言ってもこのチームは初めて

「久々と言ってもこのチームは初めてなんで、新たな気持ちでできたらいいなと思いますけど、自分にできることだったり、やるべきことは変わらないので、チームのために働けたらいいなと」

 藤田が前回、A代表に選出されたのは2022年のEー1選手権。もう2年も前のことになる。

 その間にベルギーのシント=トロイデンVVに移籍し、U−23アジアカップを制し、パリ五輪代表として世界と戦った。かつてはクラブで日常をしっかり過ごす先にA代表があると話していた。今回、その姿勢とプレーを評価されて返り咲くことになった。

 7日深夜に現地入りし、この日は藤田にとって今シリーズ最初の練習。「やっぱりスピード感も早いですし、いま残り組のシュート練習に混じってみても、すごく質が高いなというのを感じます」と、率直に「現在の代表チーム」について感想を語った。

 今夏のパリ五輪代表チームを指揮した大岩監督は大会終了直後に選手に「A代表を入りを目指してほしい」とメッセージを送ったが、現在のA代表は層が厚く、パリ五輪世代の数は限られる。藤田以外に五輪本大会に出場しているのは高井幸大の負傷によって追加招集された関根大輝のみ。久保建英や鈴木彩艶、望月ヘンリー海輝も同世代ではあるものの、その数はまだまだ少ないと言っていいだろう。

「思うところはそんなにないですけど、おそらく前回の東京五輪に比べたら選手それぞれのレベルが相当に上がってるから、なかなかパリ世代から食い込めないっていう現状はあると思う。でもそれは日本サッカー協会としては喜ばしいことだと思いますし、やっぱりそこに食い込んでこそパリ五輪が意味あるものになる」

 藤田の主戦場であるボランチのポジションには遠藤航がいて、守田英正がいて、田中碧がいる。鎌田大地もボランチでプレーすることもあり、カタールW杯の時点で主軸を担っていた彼らに割って入っていくのは確かに簡単ではないが、それでも「自分もまだ1回しか選ばれていないので、何か言える立場じゃないですけど、自分たちの世代も頑張ってどんどん上を脅かす存在になれたらと思います」と意気込んだ。

「意外とドリブルで運べるシーンは少なくはないと思う。そういったところも(自分の)強みになると思う。あとはバランスよくできるのは自分の強み」

 期待されるのはチームを刺激する存在となり、それと同時にチームに勝利をもたらす選手になること。

「今日、練習していても質の高い選手ばっかですし。でもその中でもやっぱ自分がもっと成長して、こういう相手だからこういう選手を使うみたいなところまでいけたら、自分としては今の段階ではベストかなと思う。そこを目指して成長できたらいいなと」

 今回のシリーズで代表3キャップ目を手にできるか。日本代表は10日に敵地でサウジアラビア戦、15日にホームでオーストラリア戦に臨む。