日本代表は10日深夜、北中米ワールドカップ・アジア最終予選の第2節、サウジアラビア戦に臨む。前節の中国戦に引き続き、3バックの中央で先発と見られる谷口彰悟が前日練習を終えて取材に応じた。

上写真=バーレーン戦で中央のCBとして先発する可能性が高い谷口彰悟(写真◎サッカーマガジン)

ベースで絶対に上回られたくない

 30度を超える暑さと80パーセントを超える湿度。少し動くだけで汗が吹き出す。風が吹けば幾分、増しだが、9月のバーレーンはプレーするには厳しい環境だ。

 同じ中東のカタールで1年半プレーした経験を持つ谷口は「スマートに戦っていかないといけない。全部が全部、高いインテンシティーでできるとは思っていないですし、ただ、チームとしてパワーを出すところをしっかり合わせていかないと、間延びした、メリハリのないゲームになってしまう」と話す。

「チームとして、どこでどうパワーをかけてボールを奪いにいくのか、ゴールを取りに行くのかっていうところをしっかり合わせてやることが大事」

 バーレーン戦はチームとして「パワーの出しどころ」を合わせることが重要だと強調した。それと同時に後ろの選手として「できるだけコンパクトに、ベースとしてコンパクトにっていうのは変えずにやっていかないといけないと思ってます」とポイントを挙げる。

 1月のアジアカップのイラク戦やイラン戦では、闇雲に前からプレスにいって取り切れず、簡単にロングボールを蹴られて後退を余儀なくされ、間延びした状態になってセカンドボールをことごとく回収された。結果、苦しい試合展開になり、試合を落とすことにつながった。

「個の能力がある選手がいますし、スペースを与えるとできちゃうなっていうイメージがある。どの高さに(最終ラインを)設定するかはもちろんゲームを見ながらですけど、コンパクトにするのが一つのポイント。ロングボールで、どんどんスペースを突いてくるような攻撃をしてくる可能性も考えられますけど、まずはファーストで勝つ、そしてセカンドで拾うってことを着実にやりたい。ボールを持ってるときには、相手を走らせながらこっちが休みながらというか、そういう時間帯を増やしていけると、相手も疲弊しておのずとこっちのゲームになってくる」

 前述のアジアカップでは相手のロングボールに対してボランチが最終ラインに吸収される形で競り合いに臨み、結果、セカンドボールを回収する選手が足りなくなったという反省がある。中国戦と同様の並びなら、右CBの板倉滉や左CBの町田浩樹がエアバトルに臨み、前にこぼれた場合にはダブルボランチが対応し、後ろなら谷口やGKがカバーするのが理想的だ。ロングボール対策や、逆につないできた場合も含め、色々な状況について選手間で確認し合っている谷口。準備に怠りはない。

「90分間のスタミナの使い方とかは経験が生きると思うので、バーレーンの選手の有利なところかと思いますけど、ただ、そこで負けたくないというか。やっぱりベースは走ることだし、戦うことだし、そのベースで絶対に上回られたくない。そこは覚悟を持ってピッチに立つつもりです」

 最終予選の初戦、グループのライバルと目されるオーストラリアはホームでバーレーンに敗れ、サウジアラビアもホームでインドネシアと引き分けた。日本が連勝してスタートダッシュに成功すれば、優位に予選を進められる。

「総力戦になると思うので、みんなで戦って勝ち点3を奪いたいと思います」

 注目の一戦は日本時間10日、25時にキックオフとなる。