サッカー日本代表は2日、千葉県内で北中米ワールドカップ・アジア最終予選の初戦(5日・中国戦)に向けてトレーニングを行った。パリ・オリンピック代表としてプレーしたFW細谷真大はW杯への思いと意欲を示した。

上写真=9月シリーズ初日の練習で汗を流す細谷真大(写真◎サッカーマガジン)

FWの競争に入っていきたい

 9月シリーズの初日のトレーニングには、先週の土曜日(31日)に試合のあった国内組6人のみが参加。東京V戦で相手GKのミスもあり、先制ゴールを決めた柏のFW細谷も、しっかり汗を流した。

 練習後、取材に応じた細谷は改めてこの夏に出場したパリ・オリンピックについて振り返り、そしてアジア最終予選への意気込みを語った。

「アジアカップのときよりかはプレーの幅も広がってますし、いいプレーできる自信もある。なので 違ったものを見せられると思いますし、(試合に)出るためにはしっかり練習からやっていく必要があると思っています」

 今年1月にカタールで開催されたAFCアジアカップのメンバーだった細谷だが、同大会では出番が限られた。ただ、本人も言うように、あれからおそよ8ヶ月の月日の中で着実な進化を遂げた印象を受ける。とくに強いインパクトを残したのが、この夏のパリ・オリンピックでのプレーぶりだ。

 準々決勝のスペイン戦では相手DFを背負ってボールをきっちり収め、振り向きざまにシュートを放ってネットを揺らした。ゴールはトラップ時点で踏ん張った細谷の右足がオフサイドラインを越えていたと判定され、結局取り消されることになったが、当たり負けしない強さと巧みなポストワークが光った。

 代表の9月シリーズのセンターフォワード候補は細谷を含め、上田綺世、小川航基、浅野拓磨の4人か(前田大然は左サイドでの起用と予想)。その中で細谷の武器となるのは、やはり強さとポストワークだろう。

「(FWの選手は)それぞれ違った良さがあるので、その競争に入っていきたいし、厳しいものにはなると思いますけど、しっかり爪痕を残せるように頑張りたいと思います」

 2列目のタレントが豊富で、スピードに乗った突破が得意なメンバーも多い今の日本代表にあって、後方からのボールを着実に収め、彼らの飛び出しを生かすことができれば、細谷の存在感は自ずと増していくはずだ。意識的に磨いてきたポストワークを、今回の活動でも見せたいところ。

「もう、あとはほんとにワールドカップしかないので。オリンピックに出た経験もそうですし、つなげていかないといけないと思っています。オリンピックでの悔しさをしっかりワールドカップで晴らしたい」

 メダル獲得を目標に掲げながらベスト8で終わったパリ・オリンピックの悔しさを糧に、目指すは北中米W杯。そのためにもまずは、細谷は自分自身の特長をピッチで示し、最終予選で結果を残すと誓った。