上写真=北朝鮮戦でもチームをけん引する存在として期待される堂安律(写真◎Getty Images)
熱量のことで話し合っている時点でレベルが低い
昨年3月に再始動した日本代表の武器は、両翼だった。三笘薫と伊東純也の突破力、チャンスを生み出す力と決定力がチームの強みだと森保一監督も認めていた。
実際、その二人の力が生かされる形で、2023年の日本代表は連勝街道を進んでいる。だが今回、その両翼は招集外。武器を失った状態で試合の臨むことになる。
しかし、右サイドで先発が予想される堂安律は言った。
「彼らがいようがいまいが自分の気持ちは変わらないですし、誰かが抜けたからといって、モチベーションが上がっているようじゃ遅い。急いで準備して結果を出せるような場所でもないですし。今まで準備したことの結果であると思うんで、そこはいつも通りの責任感と、プレーに集中したいと思います」
重要な場面でネット揺らしてきた日本の10番は、まっすぐな思いを口にした。代表選手として目指すのは、どんな状況であっても常に勝利。そして北朝鮮との初戦では、より強い思いをもって勝利をつかみにいくと話した。
「正直、アウェーのゲームは雰囲気も含めて予想できない。準備することも不可能に近いので向こうに行ってから準備したいと思いますけど、まず初戦をしっかりと、少しでも相手の希望をへし折る結果と内容で戦えれば、2戦目は相手がノーチャンスと思えるようなアドバンテージを持って向こうに向かえると思います。まずはしっかりと集中したい」
アウェーで迎える2戦目は、ピッチコンディションや環境も含めて予想できない部分が多い。そのためにもホームで迎える1戦目は重要だ。堂安は北朝鮮との連戦をどう戦うべきか、冷静にとらえていた。
そして今回の試合はアジアカップ後、初の代表戦でもある。優勝候補に挙げられながら準々決勝で敗退したチームにとっての言わばリスタート。敗退について冨安健洋は「熱量が足りなかった」と話したが、堂安は取材陣にそのことについて聞かれると自戒を込めて言った。
「終わってから、もちろん冨安とも意見を出し合ったこともありました。ただ日本代表として戦っていて、熱量のことで話し合っている時点で少しレベルの低い集団になってるんじゃないかなと思います。そこは正直、いま僕たちがディスカッションしているレベルではいけないと思うので、そのベースはもちろん持ちながら、そのベースがないと明日の北朝鮮のような相手では、本当に食われる展開になると思う」
熱量を周囲に伝えられなかったと反省も口にした堂安は、チーム全体を巻き込むプレーで勝利を目指す。