アジアカップ2023決勝が2月10日に行われた。開催国であり前回王者でもあるカタールと大会で旋風を巻き起こしたヨルダンが対戦。試合はアグレッシブなヨルダンが序盤から攻勢だったものの、アクラム・アフィーフのPKによる3ゴールでカタールが勝利。大会連覇を達成した。

上写真=カタールが2019年に続き、アジアの頂点に立った(写真◎AFC)

汚名返上のアジアカップ連覇

 ヨルダンのアグレッシブさは決勝のピッチでも発揮された。初のファイナル進出を成し遂げたチームはトーナメントを駆け上がった勢いそのままにボールへの鋭いアプローチとスピードに乗った攻撃を展開。シュートへの意識も高く、開催国であり前回王者でもカタール相手に攻勢に出る。

 しかし22分、突破を図るカタールのアタッカー、アクラム・アフィーフを背後から追いかけたヨルダンのDFアブダラ・ナシブが倒したとの判定でPKを与えてしまう。それほど激しいチャージではなく、微妙な判定にも思われたが覆ることはなかった。これをアフィーフが沈めてカタールが先制に成功した。

 それでもヨルダンは気落ちすることなく、ロングボールを交え、ピッチを大きく使いながら攻めに出る。カタールの前からの守備をかわし、何度も敵陣深く進入した。

 後半に折り返してもヨルダンはポゼッションで上回り、カタール陣内でのプレーを続ける。すると67分、ついに攻撃が実を結んだ。右サイドからのクロスをヤザン・アル・ナイマトがボックス内で巧みに収めてシュート。ヨルダンが1−1の同点に追いついた。

 内容ではヨルダンが押していただけ、開催国カタールにとっては嫌な流れ。だが、再びカタールはPKを獲得することになる。FWアルモエズ・アリのパスに反応したイスマエル・ムハンマドが、ヨルダンのMFマフムード・アル・マルディに倒されたのだ。

 オンフィールドレビューで足がかかっていたことを確認した中国人の主審マー・ニン(馬寧)が改めてPKを宣告。再びアフィーフが蹴り込み、カタールが逆転に成功した。

 その後も何度か主審のジャッジによってプレーが止まる場面が見られたが、ヨルダンの選手たち苛立ちを抱えながらも同点ゴールを目指した。一方でカタールの選手たちは、大声援をバックにヨルダンを突き放しにかかる。80分を過ぎても互いにゴールを奪いに行く展開となった。

 さらに熱を帯びていく試合に終止符を打つことになったのは、またもPKだった。13分と表示されたアディショナルタイムの90+5分。オフサイドぎりぎりで抜け出したアフィーフとヨルダンのGKヤズィード・アブレイラが激突。アフター気味でストップする形になったたため、カタールにPKが与えられた。これをアフィーフが自ら決めて、PKによるハットトリックを達成。カタールが3−1とし、そのまま勝利をつかむことになった。

 カタールの倍となる16本のシュートを放ち、ポゼッションも57%対43%と大きく上回ったのはヨルダンだった。だが、大声援も含めた開催国のアドバンテージと、ジャッジによって勝負どころでペースを乱されたと言えるかもしれない。

 およそ1年あまり前のカタール・ワールドカップではアジア王者として臨み、期待されながらもグループステージで全敗した。汚名返上を期して今大会に臨み、史上5カ国目となる大会連覇を成し遂げた。