上写真＝先制点を記録した堂安律と２点目を決めた久保建英（写真◎Getty Images）
■2024年１月31日 アジアカップ・ラウンド16（観衆31,832人＠アルトゥマーマ）
日本 ３−１ バーレーン
得点:（日）堂安律、久保建英、上田綺世
（バ）オウンゴール
大きな成果を手にした一戦
試合の立ち上がり、ソリッドな日本の守備阻止がバーレーンの攻め気を吸収していく。ポイントになったのは冨安が中心となってコントロールする最終ラインだ。相手の長身ＦＷユセフに仕事をさせず、バーレーンの攻め手を奪った。カウンター対応も万全で、ボールを失っても前線と中盤でことごとくその芽を摘んだ。
ポゼッションを徐々に高めると（前半は日本が61％）、幅を使って相手をバーレーンを揺さぶった。優勢に試合を進める日本がゴールをこじ開けたのは31分のこと。相手を押し込む展開の中、中央やや左でボールを持った遠藤が、内側に入りフリーになっていた右サイドバックの毎熊へパス。相手の寄せが甘いとみるや、毎熊はボックス外から右足を振り抜いた。シュートは左のポストを直撃したが、跳ね返りに堂安が素早く反応して蹴り込み、日本が先制に成功した。
前半途中に旗手が負傷で交代するアクシデントに見舞われたが、後半も日本が堅い守備と素早い切り替えと幅のある攻撃を展開していった。49分には敵陣でボールをカットに成功した久保が、その流れから相手のミスキックを逃さず、追加点を挙げた。
60分過ぎからバーレーンの圧力を受けることになり、64分にはオウンゴールで失点してしまう。左ＣＫの場面でアルアスワドの蹴ったボールを、ファーサイドで構えていたバケルに頭で叩きつけられた。鈴木が一度はストップするが、真上に上がったボールをキャッチしようとした際に上田と交錯。ボールはゴールラインを越えた。
大歓声を背にバーレーンがますます勢いづくことになったが、日本のナンバー９がその声を豪快な一発でかき消した。72分、敵陣やや右サイドで毎熊とのパス交換から裏に抜け出すと、１トップの上田がボックス右に進入。右足を力強く振り抜き、３点目をスコアした。オウンゴールのぶんをきっちり返してみせた。
相手を突き放した日本はその後もゴールへの意欲は失わず、途中出場した南野、三笘が積極的に仕掛けていった。終盤には堂安に替えて町田をピッチに送り、日本は３バックにして中央を固め、ロングボールをことごとく跳ね返した。念には念を入れた試合運びで終盤はバーレーンを圧倒した。
試合はそのまま３−１で終了。日本が準々決勝に駒を進めた。またしてもセットプレーから失点したのは依然として課題だが、組織立った守備と決めきる力、三笘の試運転など、同時にいくつもの成果を手にする一戦になった。
取材◎佐藤景
▼出場メンバー
・日本◎GK鈴木彩艶、DF毎熊晟矢、板倉滉、冨安健洋、中山雄太、MF遠藤航、旗手怜央（36分:守田英正）、堂安律（80分:町田浩樹）、久保建英（68分:南野拓実）、中村敬斗（68分:三笘薫）、FW上田綺世（80分:浅野拓磨）