日本代表の南野拓実が29日、練習後に取材に応じた。アジアカップのラウンド16で対戦するバーレーン対策は着々と進んでいる様子だ。中東カタールでの開催のため、今大会はやはり中東勢が元気だが、イラク戦の敗戦を経験し、南野に緩みは一切ない。

上写真=練習ではつらつとした動きを見せていた南野拓実(写真◎佐藤景)

しっかり前で奪って2次攻撃を

中6日で迎えるバーレーン戦に向けて南野が意識を集中させている。

「しっかり守ってくるというのが一つの感想。あとはやはり、対人にはがっつり、ハーフスペースとかでもボールを受ける時に来ているなという印象です。まあでも韓国戦とかみたいにボール持てるところがあると思うし、サイドで数的優位を作って攻撃を仕掛けられればいいのかなと。あとは奪われた瞬間にしっかり前で奪って、2次攻撃を仕掛けることができれば、それもチャンスになるんじゃないかなと思います」

 サイドのスムーズなローテーションとボールロスト後の素早い切り替え。南野が語るバーレーン戦の戦い方は、良い時の日本が見せる戦い方そのままだ。

 南野が出場するならトップ下だろう。相手は4バックで来ると予想されており、日本の理想としては中央でコンビネーションを使うのももちろんだが、相手がスライドできないスピードでサイドにボールを配り、GKとDFの間に鋭いクロスを通したいところ。そこに飛び込むのが1トップと南野、逆サイドのアタッカーになる。

「ハーフスペースでもサイドでも、うまくいけば、自分たちの形で、相手に対してプラス1枚を作って攻撃できると思うんですけど、そんな簡単ではないと思うので、その中でしっかり、まずは自分たちを出して、動いて、リズムを作っていくというのが大事になるんじゃないかなと思います」

 ここまでの大会を振り返ってもカタール開催であり、中東勢の気迫がすごい。E組を首位で勝ち上がったバーレーンも当然ながら侮れない相手だ。

「(中東勢の難しさは)イラクとやって僕らが感じていることでもあるので。2度も同じシチュエーションにはさせたくないというか。そこは、チームとしても意識して取り組んでいければいいと思います」

 決勝トーナメント以降の戦いは決着がつかなければ、延長戦、さらにPK戦もある。一昨年のカタールW杯のラウンド16、PK戦にもつれ込んだクロアチア戦で南野は自ら望んで一番手を務め、そして失敗した。だが、嫌な記憶は払拭済みだ。「どういう決め方になるかわからないですけど、僕は準備できています」と力強く語った。

 日本が8強入りをかけて戦うバーレーン戦は31日、日本時間20時30分にキックオフされる。アグレッシブに戦うと誓う南野の大会3ゴール目は見られるかーー。

取材◎佐藤景