日本代表は27日、アジアカップのラウンド16・バーレーン戦に向けて練習を行った。冒頭約30分間、公開されたストレッチやボール回しのメニューには26人全員が参加した。久保建英はリラックスしているとしながらも充実した練習ができたと語った。

上写真=充実の練習ができたと話した久保建英(写真◎佐藤景)

アウェーの大観衆? ウェルカムです

 練習開始前にドーハ日本人学校の生徒(22名)の訪問を受け、応援メッセージを受け取った選手たちは、バーレーン戦へ向けて熱のこもったトレーニングを行った。冒頭の約30分が公開されたが、サーキットトレーニング、ストレッチ、ボール回しなどメニューを精力的にこなし、ボール回しでは選手からよく声が出ていた。

 練習終了後、久保建英が取材に応じた。

「リラックスしてますね、あと3日かな、4日か、あるんで別にあんまり、まだ緊張感も…、緊張感もないと言ったらよくないですけど、リラックスしてみんなやれていますし、僕自身も今、やっとコンディションが上がってきて、今日の練習もすごく、まあみなさん(=報道陣)はいなかったですけど、すごい良かったんで、本当に余裕がありますね」

 31日のバーレーン戦に向けては心身ともにリフレッシュができ、準備を進められているようだ。

「正直、ノーマークだったんで、試合見ながら何度も何度も結果を入れ替えるというか、それこそね、カタール(ワールドカップ)のときの僕らのグループリーグじゃないですけど、すごい順位が目まぐるしく入れ替わって、一番ノーマークだった。正直、そのバーレーン以外の2チームのどっちかだと思ってたんで、本当にノーマークだったですけど、まだ時間あるんで、しっかり分析、対策はできる時間があるので良かったです。本当に何回も言いますけど、正直、ノーマークでした」

 31日にラウンド16で対戦するバーレーンはグループステージ2試合を終了した時点ではE組の3位だった。首位のヨルダンか2位の韓国と予想するのは当然だろう。しかし第3節でヨルダンがバーレーンに敗れ、韓国がマレーシアと引き分けたことで、D組2位である日本の対戦相手は、逆転で首位に立ったバーレーンになった。

 バーレーンはカタールの隣国だ。イラク戦と同様に完全アウェーの雰囲気になることも予想される。

「人はいないより、いた方が、僕たち選手も多分、みんなコロナ禍でサッカーしてて、観客の頼もしさっていうか、必要性はわかってるんで。いてくれたらいてくれたで、僕たちはウェルカムですね」

 今大会は中東開催の大会であり中東勢が力を示しているとともに、アディショナルタイムの長さが一つの特徴になっている。ラウンド16の対戦相手を知るために当該の試合の結果を追っていた久保だったが、「韓国が勝った」と認識してそれをやめた後に、マレーシアは同点に追いついた。その時間は90+15分だった。そのことについて問われた久保は、この傾向についても歓迎した。

「僕としては全然、ウェルカムですけどね。やっぱりできるだけ長くピッチでプレーしたいですし、チームによって代表戦では見るかな、アウェーとかの代表で時間稼ぎしたりとか、ゴールキーパーがずっとボールを持ったりだとか。そういうことで、あんまりうまく、なんていうんでしょう、ストレスが溜まったりとかモヤモヤしますけど、ちゃんとアディショナルタイムを取ってくれたら、モヤモヤすることもなく、どうせアディショナルタイムがあるからいいよっていう気持ちで楽に試合を進められるので、そういった意味で僕は非常に長いアディショナルタイムは疲れますけど、肯定派ですね」

 バーレーン戦の会場は、前回久保が芝に悩まされたアルトゥマーマだが、そのことについても「あまり好きじゃない」としながら「球離れ早くするっていうのと、僕はミックスは好きじゃないんで、ずっと(スパイクは)固定しか履いたことないんで、何とか固定で頑張ります」とポジティブに語った。

 環境への順応も活躍すためには必要な要素。準備を着々と整えている久保にとって、決勝トーナメントが本領を発揮する舞台となるーー。

取材◎佐藤景