1月19日、アジアカップのグループステージ第2戦で、日本はイラクに1-2と敗れた。完敗とも言っていい内容での黒星だが、意気消沈している暇はない。今大会初出場となった冨安健洋は、グループ突破の条件にチームの一体感を掲げた。

上写真=冨安健洋は後半から登場して今大会初出場(写真◎Getty Images)

■2024年1月19日 アジアカップGS第2戦(@エデュケーション・シティ/観衆38,663人)
イラク 2-1 日本
得点:(イ)アイマン・フサイン2
   (日)遠藤航

「できるだけ高い位置で」

「最低、引き分けまでは持っていきたかったので、チャンスもありましたし、かなり悔しい結果にはなりましたね」

 冨安健洋が言葉を慎重に選ぶようにして、イラクへの敗戦をそう表現する。前半はベンチで見守ったが、アイマン・フサインの高さに苦労して2失点。冨安は前半の早いうちからアップを始めて、後半開始からピッチに飛び出した。

 そのアイマン・フサインは足を痛めて入れ替わるように前半で退いたから、高さの脅威は減った。その分、ゴールへの意識を強めることができた。

「2点差で追いかける状況ではあったので、できる限り高い位置でボールを持てるようにというのは、意識して入りました」

 自らが高い位置を取ることで、ボールの循環役になり、左サイドバックの伊藤洋輝をさらに深くまで押し上げることにもつながった。切り替えの瞬間にもこぼれ球をしっかり拾って、二次攻撃につなげていった。

 しかし、イラクが66分から5-4-1の並びで堅固なブロックを組み上げると、なかなか打ち破ることができなくなる。ならばセットプレーを生かして、89分には菅原由勢の右CKをヘッドで合わせたが、左に切れた。

 90+2分に遠藤航が旗手怜央の左CKからヘッドで1点を返したが、ここまでだった。2勝でグループステージ突破を決めたイラクに対し、日本は1勝1敗で、突破はインドネシアとの最終戦まで持ち越しとなった。

「まずはしっかりと勝って、グループステージ通過を決めないといけない」

 その条件は、チームの結びつきだと信じている。

「ここでバラバラにならずに、それぞれが意見を出し合って、話し合って、最終的にこの負けがあってよかったって言えるように、また話し合ってやっていきたいなと思います」