アジアカップに参加中の日本代表において、主要な左サイドバックの候補者は3人いる。ベトナム戦で先発した伊藤洋輝、中山雄太、そして町田浩樹だ。17日の練習後、初戦でベンチ外だった中山が取材に応じた。

上写真=イラク戦に向けてトレーニングする中山雄太(写真◎佐藤景(

イラクはスペイン人監督でオーガナイズされている

 グループステージ第1戦のベトナム戦で左サイドバックを務めたのは、伊藤洋輝だった。ケガ明けでコンディションの問題もあり、元日のタイ戦は出場を回避。ただドーハ入り後は全体練習に参加し、調子を上げてスタメン出場を果たした。

 一方で中山雄太は、9日に非公開で行ったヨルダンとの練習試合に先発したと思われるが、その後は別メニューでの調整が続いていた。現在は全体練習に復帰しているものの、ベトナム戦は負傷からの回復を目指す三笘薫、冨安健洋とともにベンチ外だった。

 中山が別メニュー調整を続けている段階では、センターバックの町田浩樹もサイド攻撃のメニューを行う際には左サイドバックに入って練習に取り組んでいた。ただし、それはあくまで不測の事態に備えてのことだと思われる。伊藤洋と中山のコンディションに問題がなければ、2人をローテーションして大会を戦うのが基本路線と言えそうだ。

 17日の練習後に取材に応じた中山は現在の自身の状態について「大丈夫です」ときっぱり。イラク戦に出ろと言われたら100パーセントの状態で出られるか、という質問にも力強く頷いた。

 日本はベトナム戦から中4日で次戦のイラク戦に臨む。伊藤洋のコンディションに問題はないと思われるが、今回は中山が先発するのではないか。

「イラクはスペイン人監督でオーガナイズされているチーム。しっかりサッカーしてくるし、(日本の)ベトナム戦も見ているので、気持ち的にも日本に対してサッカーしてもやれるんじゃないかと自信を持ってくると思う。そこは予想として持ちつつ、引かれるよりもやりやすいと思います。ベトナムの選手よりも身体能力、強さ、スピードはすごくある印象はありますけど」

 中山はイラク対インドネシアの映像も確認済みだった。次戦のプレーイメージもしっかり抱いている。

 およそ1年前に同じカタールで開催されたワールドカップに、中山は負傷のために出場できなかった。だが、本人はカタールという土地にについて「全然何も感じていないですし、ワールドカップにきてケガをしたわけでもないので。(カタールに)来てもワールドカップというのは正直、頭にないですし、アジアカップに対して100パーセントで臨めていることがポジティブだと思う」と語った。

 アジアナンバーを決める大会に中山は集中できている。19日のイラク戦に向けても準備は万端だ。

取材◎佐藤景