カタールで行われているAFCアジアカップで1月14日、グループDの日本がベトナムと初戦を迎えた。南野拓実が先制しながらも逆転される難しい展開だったが、再び南野が同点弾、さらに逆転ゴールを演出してみせた。

上写真=南野拓実が11分に先制ゴールを決めて試合を動かした(写真◎Getty Images)

■2024年1月14日 アジアカップGS第1戦(@アル・トゥマーマ)
日本 4-2 ベトナム
得点:(日)南野拓実2、中村敬斗、上田綺世
   (ベ)グエン・ディン・バック、ファム・トゥアン・ハイ

「ゴールでチームを助けたかった」

 日本を救ったのは、ナンバー8だ。南野拓実が2得点1アシストで、難しい初戦で逆転勝利を演出した。

 フィリップ・トルシエ監督が率いるベトナムが、さながら「フラット5」とでも言えそうな5-4-1のブロックをコンパクトに組んできて苦しめられた。しかし、まずは11分に先制パンチだ。左CKのクリアを菅原由勢がシュート、こぼれ球を右足でていねいに蹴り込んだ。

 ここからベトナムにまさかの逆転を許すのだが、焦りはなかった。45分、遠藤航が狭い場所に差し込んできて、ペナルティーエリア内で受けた南野が落ち着いて相手の股が開くのを待って、その間にパスを送るようなクールなフィニッシュ。同点ゴールを奪った。

「先制点を取ったあとに難しい形で逆転されましたが、なんとかゴールでチームを助けたかった。終了間際といういい時間で、そのあとの勝ち越しにもつながりましたし、試合運びはよくなかったけれど、強さを示すことができてよかった」

 その言葉の通り、前半アディショナルタイムの45+4分に、今度は逆転ゴールをアシストだ。中盤で遠藤からボールを引き出してターン、そのまま前に運んで左の中村敬斗に預けた。カットインから右足で決めたゴラッソを生み出したのだ。

 1月1日のタイとのテストマッチでゴールを決めていて、2戦連発と好調を維持。この日の2点目は自身の代表20ゴール目と節目の一発になった。

 奪われたあとの高速トランジションで守備でもこまめに仲間を助ける献身ぶり。84分に久保建英に代わってピッチをあとにするまで、ずっと主役であり続けた。

 85分に上田綺世が決めて、終わってみれば4-2の勝利。「初戦ということで非常に重要な一戦で、結果的に勝利することができてよかった」と、南野はまず安堵の表情を見せたが、それもこの男の攻守における活躍があってこそ。「まだまだ初戦ですし、グループステージを突破したわけでもないので、次も気を引き締めていい準備したい」と、次の一歩を確実に踏みしめる意欲を示した。