日本代表の三笘薫が12日、ドーハ入り後、初めて取材に応じた。左足首のケガのため別メニューで調整を進めており、初戦のベトナム戦は回避することになりそうだ。グループステージ終盤、あるいは決勝トーナメントからしっかりプレーできるように準備している。

上写真=ドーハ入り後、初めて取材に応じた三笘薫(写真◎佐藤景)

徐々によくなってきています

「26人になってそういうチャンスもあった中で呼んでいただいたので、良かったなと思いますし、それに応えないといけないなと思っています」

 今回のアジアカップは当初、登録人数は23人だった。だが、レギュレーションが変わり、試合の登録は23人までだが、大会の登録人数が26人に拡大(試合では3人がベンチ外になる)。枠が広がったことで左足首を負傷している三笘を招集し、コンディションが整った段階で起用することが可能になった。

 ドーハ入り後、別メニューで調整してきたが、「(痛みは)徐々になくなってきています」と語る。ただ、「回復次第ですけど、予選リーグの中で入れればベストかなと思っています」と焦ってはいない。戦列に加わるのは、大会が進んでからになりそうだ。

 三笘は過去のアジアカップで印象深かった試合を聞かれて、こう答えた。

「全試合、映像を見れば、記憶が蘇ってきます。決勝だけにフォーカスされますけど、予選リーグの試合一つひとつがあって、そこで活躍した選手がいて、最後に持っていく選手がいてっていう。いい形に繋がっていくと思うので、僕は予選リーグの最初は(出場するのが)なかなか難しいかもしれないですけど、しっかりとバトンを受け継いで、いい状態で迎えられるようにしたい」

 より厳しい試合が連続する決勝トーナメントでバトンを受け継ぐために、三笘は今、調整を続けている。

「予選もそうですし、引いてくる相手に対して点が奪えないときにどうやって打開していくかってところはすでに数試合やっていますけど、まだまだ本番になってみないとわからないところがある。緊張感もあると思うんで、そこで個人の能力だったり、チームとして崩していくっていうのが必要ですし、決勝トーナメント入れば1点の重みが変わってくるんで、延長戦を含めてしっかりとチームとして準備したいなと思います」

 前回大会はトレーニングパートナーとしてチームに加わっていた。

「次の大会を選ばれればいいなと思って参加していましたし、日本代表の基準というのをわかった中で素晴らしい経験ができました。今、トレーニングパートナーも来ていますし、そういった基準を僕たちも見せないといけない。次の大会で一緒にプレーできればうれしいと思います」

 あれから5年が経ち、三笘は日本代表の中心になった。

「僕のやる役割もわかっていますし、まずはしっかりとケガを治すことが第一」

 今大会、三笘薫はアジアの頂点へと駆け上がる日本代表のブースターになるーー。

取材◎佐藤景