現在、カタールのドーハで合宿中の日本代表・堂安律が、かつてガンバ大阪でともにプレーし、9日に現役引退を発表した遠藤保仁についてコメントした。

上写真=2017年の写真。堂安律と遠藤保仁はガンバ大阪でともにプレーした(写真◎J.LEAGUE)

ガンバでコーチをされるのはうれしい

 堂安は高校2年生だった2015年にガンバ大阪のトップチームに2種登録され、デビューした。当時、チームの大看板だったのがキャプテンの遠藤保仁だ。その後、堂安自身が2017年にオランダのフローニンヘンに移籍するまでのおよそ2シーズンにわたりともにプレーしている。

 偉大なキャプテンでもあった遠藤について、堂安がコメントした。

「もうヤットさんのプレーを見れないのは悲しいですが、ガンバに戻ってきてコーチをされるのは、ガンバファンの自分にとっては嬉しい気持ちもあります。ヤットさんがこれまで積んでこられたキャリアは、すごいものだと思います。自分が日本代表であと100試合出ても追いつけないというのは、ヤットさんがされてきたことは本当にすごいことだと感じさせていただいています。そして間違いなくJリーグの価値を上げた方だとも思います。

 自分がガンバでプレーしていたところは、キャプテンをされていたのですが、自分が小さい頃に描いてたキャプテン像とは真逆で、新しいスタイルを出していくのはヤットさんにしかできないことだと感じていました。後輩に全く気を遣わせず、ヤットさんはそういう空気を出してくれ、あれだけ主力の選手なのに若手に生き生きとプレーさせてくれるのは本当にすごいキャプテンだと思っていました。
 また、トレーニングなども本当に真摯に取り組んでいる姿を見させてもらって学ばせてもらいました。次のキャリアでも間違いなく成功されると思いますが、ひとまず本当にお疲れ様でしたとお伝えしたいです」

 ガンバ大阪の中心でありさまざまなタイトルをもたらした遠藤は2001年から同クラブでプレーしており幼い頃から堂安にとって偉大なプレーヤーだった。実際に一緒にプレーするようになり、改めてその凄さを感じたということだろう。発表されたコメントはリスペクトにあふれていた。

 遠藤は日本代表で152試合に出場。堂安は、現在42キャップだ。若くしてA代表に定着した堂安だが、本人が言う通り、その差は100キャップ以上。改めて遠藤のすごさがわかる。

 堂安は現在、カタールのドーハで開催されるアジアカップに向けて調整中だ(日本の初戦は14日・ベトナム戦)。日本代表が最後にアジアを制覇したのは2011年で、開催国は同じカタールだった。そしてそのチームの中心だったのが、遠藤保仁。

 堂安にとっては格好の舞台が整ったと言えるかもしれない。5度目の優勝を果たし、偉大な先輩に朗報を届けるという意味でーー。

取材◎佐藤景