日本代表の伊藤涼太郎が30日、練習後に取材に応じた。現代表チームにはトップ下でプレーできる『ライバル』は多いが、まずは元日のタイ代表戦へ向け、自身の持ち味を積極的にアピール。新風を吹き込む存在となるか、注目される。

上写真=伊藤涼太郎は元日のタイ戦で、日本代表デビューなるか?(写真◎サッカーマガジン)

初陣で今後も代表に関わっていけるプレーを

 合宿3日目。サイドの崩しのパターンをトレーニングしたあと、ハーフコートを使って10対10のミニゲームが行われた。シュートに至ると攻守が入れ替わり、攻撃側がアタッキングサードに到達した時点で守備側は動きを止める制限が設けられた。崩しの方法の確認と実践感覚を養うこのメニューで、ビブス無し組のトップ下を務めたのが今回、初招集された伊藤涼太郎だった。

「移動もありましたけど、何も問題なく練習できていると思います。レベルが高いし、そういう選手たちと同じピッチでやれるということでいろいろなイメージを供給できると思う。僕自身試合がすごく楽しみです」

 2023年夏に新潟からベルギーのシント=トロイデンVV(STVV)に移籍。もとより技術の高さに定評があったが、海をわたり、「自分の弱点」を磨いてきたという。それは「走る」ことと守備面の貢献」だ。

「海外に行ってからは、(走りや守備の部分の向上が)自信につながっています。まだまだ足りないところはありますけど、さらに海外で自信をつけられたらと思います」

 STVVでの活躍が認められ、ついに代表にたどり着いた。むろん、初招集だからといって『お客様』で終わるつもりはない。ライバルは多いが、持ち味をしっかりアピールするつもりだ。

「今の日本代表の僕と同じポジションの選手は5大リーグで活躍している選手ばかりなので、そういった選手に負けないのもすごく大事なんですけど、彼らと違う自分を見せるのが大事かなと思う。ライン間で受けるところだったり、アイディアのところだったり、そういったところをアピールしたいなと思っています」

 後方からボールを引き出し、素早く反転することのできる伊藤は、チームの攻撃を加速させる存在となり得る。

 ミニゲームで相手チームのトップ下を務めた中村憲剛コーチには「活かされるプレーも大事」というアドバイスをもらったという。コンディション面も不安はなく、代表歴の浅いメンバーを試す意味合いが強い元日のタイ代表戦では、伊藤に出番はありそうだ。

「もちろんアジアカップにも選ばれたいですし、1日の試合は自分にとってアピールのチャンスだと思いますけど、正直、アジアカップが全てじゃないし、その先のワールドカップだったり、自分のチームでの活動だったり、そういったところにつながるようなプレーをしたいと思います。プラス、今後の代表にどんどん関わっていけるような、そこにつながるプレーをしたい」

 2024年の元旦を、フットボーラー・伊藤涼太郎の新たなスタートにできるか。注目だ。