日本代表は今日16日、大阪・パナソニックスタジアム吹田で北中米ワールドカップに向けた第一歩を踏み出す。アジア2次予選に臨み、ミャンマー代表と対戦する。ケガ人が相次ぐ中、森保一監督はどんなメンバーを先発させるのか。

上画像=ミャンマー戦に臨む日本代表の先発予想布陣

帰国のタイミングと21日のシリア戦も考慮した起用

 ケガのために板倉滉、旗手怜央、中村敬斗らが招集見送りとなり、メンバー発表後にも前田大然、古橋亨梧、川辺駿、伊藤敦樹が所属クラブの試合で負傷。三笘薫も16日にケガのためチーム離脱が決まり、渡辺剛、佐野海舟、細谷真大を追加招集したものの、当初の発表よりも2人少ない24人で北中米ワールドカップ・アジア2次予選の2試合に臨むことになった。

 活動初日(13日)から練習に参加したのは13人。そのうちボールを使ったメニューをこなしたのは大迫敬介、鈴木彩艶、相馬勇紀、佐野、細谷の5人。リカバリメニューを行ったのは前川黛也、冨安健洋、中山雄太、毎熊晟矢、伊藤洋輝、伊東純也、浅野拓磨、南野拓実の8人だった。

 2日目(14日)から合流したのは9人。谷口彰悟、菅原由勢、遠藤航、守田英正、鎌田大地、堂安律、田中碧、久保建英、上田綺世といずれも海外組で、この日はリカバリメニュー中心でトレーニングを終えている。

 当初14日の練習から参加するはずだった町田浩樹、渡辺は搭乗予定だった飛行機が欠航となり、帰国したものの練習には間に合わず(15日から参加)。また、同日の練習で冨安はコンディションを考慮して別メニューでの調整を行っていた。全体練習ができたのは結局、試合前日のみだった。

 16日のミャンマー戦は北中米W杯へ向けたスタートであり、重要な試合に違いないが、メンバー選考においては、ある程度、合流のタイミングも考慮すると思われる。また、今回のシリーズで、日本にとってより難しいのは21日のシリア戦だろう。中立地での対戦ながら予選2試合をサウジアラビアで戦えるシリアに対し、日本は国内で1戦目を戦った直後にサウジアラビアへ移動し、2戦目に臨まなければならない。そうした状況を踏まえ、ケガ人が続出する中でもある程度メンバーを入れ替え、コンディションを考慮して2試合を戦うことになるはずだ。

 先発を予想するにあたり、基本となるフォーメーションについては、分厚く守るアジア勢との対戦を想定して戦った10月のチュニジア戦と同じ4−2−3−1とした。同じく10月のカナダ戦で採用した4−3−3(4−1−4−1)の可能性も当然あり、より前に人数をかける状況で可変するかもしれない。

 まずはGK。活動初日から参加し、ボールを使ったメニューをこなしたのは鈴木彩艶と大迫敬介だ。ミャンマー戦の試合展開としては日本が押し込む時間が長くなり、守備機会も限られそうだが、今回、ゴールマウスに立つのは鈴木ではないか。前回のチュニジア戦で評価を高めており、DFとの連係面を深める意味でも連続起用されると予想した。

 DFは4バックで右から毎熊晟矢、谷口、町田、中山。活動初日から参加している毎熊、中山は、コンディション面に不安はない。一方でCBの谷口と町田は帰国から間もないが、谷口は取材の中で「相手がどうであれ、やっぱり最初は下手なリスクを減らしていかないといけない。自分の中で強く言い聞かせています。ミャンマーが相手で力の差はあるとは思いますけど、その力の差を発揮しないことには勝てない」と初戦をしっかりイメージしていた。

 そして町田は「前回の試合(リーグ戦)から中3日あってコンディションは整えられている。本当にセンターバックは、滉くんがケガして、トミ(冨安)もどうなるかはわからないですけど、そういう中でしっかり自分がアピールできれば」と出場に前向きだった。9月のトルコ戦、10月のカナダ戦の後半で実現した谷口&町田の2CBがミャンマー戦でもピッチに立つ。そうなると、冨安と伊藤洋はシリア戦での先発を準備することになる。

 MFは、遠藤航と田中碧がボランチコンビを組む。場合によっては遠藤がアンカーに入り、田中が右インサイドハーフに上がる形もあるだろう。予選のスタートにキャプテンは欠かせない。遠藤が先発し、大差がつけばシリア戦も考えて途中交代させるイメージだろうか。9月、10月と連続ゴール中の田中は、後ろに人数を割いて守るであろう相手を崩すために重要な存在になる。ミドルシュートや飛び出しからのゴールなど多彩な得点パターンから、3ヶ月連続のゴールも期待されるところだ。

 2列目は右から伊東、久保、相馬と予想。右は活動初日から参加の伊東、三笘が不在の左は前日会見で森保一監督が複数人の候補者の名前を挙げていたが、所属するカーザピアにおいて、左で頻繁にプレーしている相馬が務める。トップ下は南野が活動初日に合流しており、久保をシリア戦に温存する可能性もあるが、前回のチュニジア戦で重要な役割を担い、クラブで常に出場機会を得ている好調な久保を起用して、初戦の勝利をつかみにいくのではないか。鎌田はシリア戦で先発させ、南野は今シリーズは手薄な左サイドを担うとみる。

 センターフォワードを務めるのは上田だ。ミャンマー代表の最終ラインはそれほど高さがあるわけではなく、空中戦に強さが存分に発揮されそうだ。左右から送られるクロスをゴールに変える役割を担う。浅野が起用されるケースもあるが、上田がミャンマー戦、浅野はシリア戦で先発すると予想した。

 ケガ人が続出する中、前日会見で森保監督は「チームとして最初に組もうとしたメンバー構成ができなかったり、招集した後もこのようなアクシデントが出たりしたのは痛いことですが、これまでも誰が出ても機能する、誰と組んでも機能する、そして誰が出ても勝つというところを準備してきました。『俺がやってやる』という強い気持ちと力を持った選手がいると思いますので、日本代表チームとしてつねに100パーセントの力を持って発揮できるように戦っていきたい」とコメント。

 また、「これだけ多くの選手を選べるという日本人の選手層の厚さ、選手たちが海外、そして国内で見せてくれているパフォーマンスや存在感という部分に本当に誇りを感じる」と話し、層の厚さも強調した。追加招集の渡辺剛や佐野海舟、細谷真大もミャンマー戦で出場機会を得るかもしれない。

 アジア2次予選の初戦、日本vsミャンマーは今夜(16日)、19時にキックオフとなる。北中米W杯への第一歩をどのように踏み出すのか、注目される。

取材◎佐藤 景