日本代表は10月シリーズを2連勝で終えた。これでテストマッチは6連勝。順調に歩みを進めているが、チュニジア戦後の取材で、日本がより高いレベルにいくために、守田英正はまだまだ改善すべき点があると指摘した。

上写真=チュニジア戦で先発フル出場を果たした守田英正(写真◎JMPA毛受亮介)

キツくなったらブロックを組みすぎる

 10月シリーズ2連勝、親善試合としては6月から6連勝。3月から第2次森保体制のチームは右肩あがりで成長を遂げている。11月から始まるW杯アジア2次予選、来年1月のアジアカップを前に、準備万端とも映る。

 だが、チュニジア戦でボランチとして先発した守田英正はいい状態にあることを認めつつも、気を引き締めることを忘れなかった。

「前半に1点をいい形で取れたので、それで結構相手に効いたと思うんですよ。でもあれがなかったらちょっと前半は、手応えが薄かったかなって。斜めに効果的にパスが入ったときに相手がすごい嫌がっていたのはわかったんですけど、その状況をあまり自ら作り出せなかった。得点は(遠藤)航くんからうまく僕に入って、(久保)建英があいて、ちょっとパスがずれてああなりましたけど。結果的に配置で相手を上回りましたし、いい形が出来たので。アジア相手にも、うまく連係して攻撃できる手応えをつかんだじゃないかなと」

 序盤、5−4のブロックを築く相手に対して攻めあぐねる時間もあった。それでも焦れずにトライを続け、前半終了間際に守田も絡んで古橋亨梧の先制ゴールを生んだ。

 ただし、1点を取った後のチームの振る舞いについて守田は改善点があると指摘する。これから迎えるアジア勢と戦いを前に、より盤石に勝っていくためにチームとして確認や修正が必要なことはあるかと、尋ねたときだった。

「点を取ってキツくなってきたら5ー4でブロックを組みすぎるかなと。なんかそんな癖があるなと思っていて。ボールを持つことをちょっと怖かったり、逃げ始めるかなと。(カタールW杯の)クロアチア戦で1点を取って先制して、そこから保身的になってポジショニングも後ろに構えて、やられないけど、ボールを動かせる配置にならなかったり。次に誰が出ていくってところまで行けていないんで、なんか先制したときに、ちょっとその傾向が僕はこのチームにあるんじゃないかなと思いますけど」

 先制した後、保身的になってしまう、つまりはやや重心が下がってしまう傾向にあるという。クロアチア戦以降の試合の中でもその傾向をたびたび感じていた守田は、相手の心を折って勝負を決められる状況が目の前にある際には、決め切る選択をすべきとの考えを持つ。

「なので、もっと2点目を取りにいかないと。もちろん、きつかったら時間帯として仕方がないでしょうけど、それが保身的な考えで、となるのは(よくない)。とりあえずそこに1回、守備から入ろうっていう考えは僕は好きじゃないというか、よくないと思う」

 試合運びとしても2点目を取りにいくことは勝利に近づくために重要だ。それをわかった上で「やっているならいいですけど、できないからそうなっているのは、ちょっと僕は。なんかその感じが否めないのかな」と、得点後の戦い方についてはよりアグレッシブさが必要だと話した。

 守田自身もチュニジア戦では「無駄に走りましたし、失い方がよくないこともあったり。それでは1回落ち着きたいという考えになってしまう。それは仕方がないし、僕もそうでした。難しかったです」と反省。保身的な考えを持たずにチームとして前進していくことが無駄な苦労をせずに、アジアを突破するポイントになる。だからあえて、強調した。

 チームとして、より高い場所を目指すために。守田英正に妥協はない。

取材◎佐藤景