日本代表のGK鈴木彩艶が17日のチュニジア戦で先発することになりそうだ。前日会見で森保一監督が起用を明言。大器と言われて久しいが、ついに自身2キャップ目を刻むチャンスを得た。

上写真=チュニジア戦で先発濃厚となった鈴木彩艶(写真◎サッカーマガジン)

2キャップ目をいかに刻むか

 年代別代表において飛び級でメンバー入りしてきた逸材だ。A代表には2022年7月のEー1選手権、香港戦でデビューを飾っているが、以降は所属していた浦和で定位置を確保できなかったこともあって、A代表に絡むことができなかった。

 しかしこの夏、シント=トロイデンVV(ベルギー)に移籍。日本代表GKのシュミット・ダニエルに代わって出番をつかむと、10月シリーズに招集された。同時期にUー22代表がアメリカ遠征を行なっており、パリ五輪世代の主軸を担う彩艶も参加する可能性はあったが、今回はA代表で活動することになった。

 ポテンシャルの高さは誰もが認めるところ。類まれなるフィジカル能力に加え、キャッチングやパンチングの技術の高さにも目を見張るものがある。冒頭15分のみ公開された15日のトレーニングでは大迫敬介、小島亨介とともにパンチングのメニューをこなしていたが、跳躍力とパンチングの正確性、飛距離で違いを見せていた。

 チュニジア戦の前日会見でGKの起用について聞かれた森保監督は「彩艶にスタートから出てもらおうと思っています。大迫も結果を出している部分はしっかり評価していますが、GKも全体的に経験値を上げた中で、最終的にアジアカップやワールドカップのアジア予選でベストな選択ができるようにしていきたい」とコメント。21歳の彩艶がチュニジア戦で先発することが濃厚となった。

 前日練習後に取材に応じた彩艶は、「(先発は)練習の中で分かっていた」と話し、「E-1の時よりも確実に自分自身成長していると思っています。ゲームに継続してチーム出ている中での代表のゲームなので、そこは自信を持ってプレーできる。反面、やっぱりE-1の時よりも相手のレベルが高いと思っています。前回、日本が戦った時に敗れている相手なので、そこはしっかりと自分自身のプレーを発揮できるように準備をしていきたい」と意気込みを語った。

 9月のドイツ戦、そして先日のカナダ戦でゴールマウスに立った大迫が世代の中では一歩リードしている状況だが、つかんだチャンスを逃さず、自身の持ち味をアピールできれば、序列は変えることも可能だろう。他にも9月の代表戦で負傷し、今回は招集外となった中村航輔などライバルは多いが、この機を逃す手はない。

「明日のゲーム(チュニジア戦)は本当にいろいろなところにつながってくるとは思いますけど、ここまで一歩一歩、成長できてる部分もあると思うので、そこまで気負いすぎずに結果を出しながら、自分自身を表現できる試合になればいいかなと思っています」

 進む道を切りひらく90分になるか。彩艶のプレーに注目だ。