10月13日、日本代表が新潟県新潟市のデンカビッグスワンスタジアムにカナダを迎えたテストマッチ。浴びせた4ゴールのうちの2点は、田中碧が決めたものだった。前半開始早々の2分、後半開始早々の49分と、試合の流れを引き寄せる貴重な二発だった。

上写真=田中碧が2分に先制して最高の笑顔!(写真◎Getty Images)

■2023年10月13日 国際親善試合(@デンカビッグスワンスタジアム/観衆37,125人)
日本 4-1 カナダ
得点:(日)田中碧2、オウンゴール、中村敬斗
   (カ)ジュニア・ホイレット

「まだまだチャンスを決めきらないと」

 日本代表が6月から6点、4点、4点、4点と重ねてきた圧倒的な結果の、その勢いをこのカナダ戦でも作ったのは田中碧だ。

 開始早々の2分、押し込みながら一度は奪われたあとに猛プレス、相手のクリアが小さくなったところに田中がいた。ペナルティーエリアの少し外、ゴールやや左から右足を振ると、相手の足元をかすめてゴールに飛び込んだ。

「1点目もうまくこぼれ球を拾って時間ができましたし、狙い通りに股を通せましたし、相手に当たりましたけど、打ってよかった」

 すると今度は、後半に入ってすぐだった。49分、左から南野拓実が中央に送り、ペナルティーエリアの少し外、中央で受けた伊東純也がボールをすくい上げるようにして眼前の敵を外すと、その裏に走り込んだ田中が気持ちよさそうに右足のダイレクトボレーでゴール右にたたき込んだ。

「2点目は純也くんが時間も作ってスペースもあけてくれて、いいパスもくれたので、走り込んでよかったです」

 9月シリーズはドイツ戦で74分から出場して1ゴール、トルコ戦はフル出場。2試合連続で先発出場を果たしたこのカナダ戦で、日本代表の試合では自身初めてとなる1試合2ゴールだ。

 71分には川辺駿と交代して、お役御免。

「ゴールを取るところに関して言えばすごく質は高いと思います」とは、5試合で22ゴールを積み上げたことへの自己評価。しかし、喜びすぎない冷静さでこう続けた。

「ただ、もちろん、まだまだ決めきらなければいけないところも、よりチャンスを作らなければいけないところもあります。それに、ボールを保持するところ、そしてボールを奪うところももっともっとやっていかなければいけないと思います」

 テストマッチだから、課題を出して整理することも目的の一つ。田中にとってそれは、奪って、つないで、崩して、チャンスを決める、という一連のアクションをより高度に研ぎ澄ませるということだ。