日本代表は20日、大阪・パナソニックスタジアム吹田でペルー代表と対戦し、4−1の勝利を飾った。前回のエルサルバドル戦に続き、左インサイドハーフで先発を飾ったのが旗手怜央だ。試合後、ペルー戦と充実の6月シリーズを振り返った。

上写真=左インサイドハーフでペルー戦に先発した旗手怜央(写真◎Getty Images)

何をすべきかをしっかり整理してプレー

 2試合連続で左インサイドハーフとして先発した旗手は、ペルー戦に関して前回のエルサルバドル戦よりもビルドアップに関与することを意識していたという。

「4ー1ー4ー1ですけど、チームとして自分がちょっと落ちてビルドアップに関わるって話をしていました。相手のプレスがやっぱり強かったんで、なるべく自分がボールを持たずに(遠藤)航くんとか、(鎌田)大地くんにうまくボールが渡るように、そういうフリーランとかの動きを意識していたし、自分にボールが渡ってきたら1人はがすことだったり、前に(ボールを)つけるというのを意識していた。そういうところは随所に出ていたんで、よかったと思います」

 前回の試合でフル出場していたこともあり、このペルー戦では前半のみのプレーになったが、時にビルドアップに関わり、オフ・ザ・ボールの動きでチームを助け、チャンスを生み出すプレーが光った。

「もう少しボールに関われた時間もあったと思うんですけど、ただ、自分がピッチで状況を把握しながら考えてプレーできたところは随所に出ていたと思います」

 このチームにおいて自分に何ができて何をすべきか、旗手の中でしっかり整理されている。プレーに迷いは見られず、だからこそ先発の座を射止めているのだろう。インサイドハーフは所属するセルティックでもプレーするポジション。この2試合に関して、旗手のプレーはまさに水を得た魚で、まるで代表常連のようにピッチ上で振る舞い、周囲の選手と良い関係が築けていた。

「やっぱり大地くんがボールを持てるっていうのはあったので、そこに入ったときにまず3人目でサポートというのを意識していましたし、航くんの守備範囲が広いっていうのもわかっていたので、その中で自分の場合はなるべく航くんの前で守備をすることを意識していました。そこは良かったと思います」

 現在の代表チームにおいてインサイドハーフでプレーできる選手は多いが、旗手はボールを持っている時も持っていない時も含めて、自らのプレーによって前後左右の選手の持ち味を引き出すことができる。その点では他の選手とはまた異なる特徴がある。

「(代表に)入ってないときも変わってないですけど、ただ試合に出してもらって、チームの勝利に貢献したい思いだったり、それはピッチ内でもピッチ外でもそうですけど、やっぱりここに、代表に選ばれたいっていう思いは強くなりました。それは今回の6月シリーズで選んでもらって試合に出させてもらってより強く感じた部分なのかなと思います」

 セルティックで結果を出し、自信を携えて昨年9月以来の代表復帰を果たしたが、今回の活動で代表においても大きな自信を得たのではないだろうか。6月シリーズの2試合は、旗手怜央という選手の価値を改めて証明する機会になった。2試合連続先発という事実は、指揮官やコーチングスタッフの評価の表れだろう。

取材◎佐藤 景