上写真＝板倉滉がキャプテンとしてピッチへ。チームを牽引した（写真◎Getty Images）
■2023年3月28日 キリンチャレンジカップ（観衆20,005人／@ヨドコウ桜スタジアム）
日本 1-2 コロンビア
得点:（日）三笘薫
（コ）ジョン・ハデル・ドゥラン、ラファエル・サントス・ボレ
「球際の激しさをベースにして戦わないと」
板倉滉の左腕には、黒のアームバンドが巻かれていた。26歳の日本代表のキャプテン。
この3月シリーズは2試合ともフル出場だ。今回のメンバーではDFの中では最年長となったが、カタール・ワールドカップを経て心身ともに何段もステップを上がった男にとっては、年齢には関係なく、新生日本代表を牽引する覚悟がピッチに表れた。
だから、コロンビア戦でキャプテンを務めようと、そうでなかろうと、思いは変わらない。この日は遠藤航が後半からピッチに入ったタイミングでキャプテンマークを渡したから、「45分間のキャプテン」だったものの、立場が人を育てるという側面もある。試合後の第一声は、まさにキャプテンシーあふれるものだった。
「これだけのファンの皆さんが集まってもらった中で、勝ちを届けたかったけれど、それができなかったという悔しい思いがあります。でも本当にここからの積み重ねだと思います」
多くの歓声を浴びながらていねいに戦ったつもりだが、3分に三笘薫が先制しながら、33分と61分に失点してよもやの逆転負けだ。特に相手の1点目は不運もあった。相手のGKのハイキックに対して前に出てヘッドでクリアしたのだが、それが相手に拾われてワンタッチで裏に送られ、入れ替わられるような格好となった。ドリブルするデイベル・マチャドに必死に食らいついていったが、中央へとパスを通された。そこからジョン・ハデル・ドゥランに蹴り込まれている。
「今回、ウルグアイとコロンビアという素晴らしい相手とできて、球際の激しさをみんな感じたと思います。またチームに帰って個人のレベルアップにつなげたいと思います」
最初の失点は板倉がマチャドに追いつけば止められたし、あるいは組織でカバーの意識を高めれば防げたかもしれない。小さな局面へのこだわりをもっと、の思い。
「特に後半のコロンビアの球際の激しさをベースにして戦わないといけない。今回、初めての選手も多い中で実際にここで体感できて、本当の大会だともっとインテンシティも高くなると思うし、ここをベースにみんながチームで個人のレベルのスキルアップをする必要があると思います」
森保一監督はチームキャプテンを置くかどうかも含めて、今後の活動で検討していくと明かしている。最後尾からチーム全体を見守り、底抜けに明るく、プレーでもたくましさを増して、存在感を高めているセンターバック。正式にキャプテンに指名されても不思議ではない、筆頭候補の一人である。