日本代表は24日、カタールW杯後の初試合に臨んだ。ウルグアイに先行を許す苦しい展開も、後半に途中出場の西村拓真が同点ゴールをスコア。勝ち切ることはできなかったが、新生・森保ジャパンは南米の強豪相手に1−1で引き分けた。

上写真=ピッチに交代で登場後、すぐにネットを揺らした西村拓真(写真◎Getty Images)

■2023年3月24日 キリンチャレンジカップ(観衆61,855人/@国立競技場)
日本 1-1 ウルグアイ
得点:(日)西村拓真
   (ウ)フェデリコ・バルベルデ

後半の選手交代で流れを引き寄せる

 第2次森保ジャパンは、カタールW杯経験組に菅原と瀬古の新顔2人を加えたメンバーでスタートを切った。吉田麻也と長友佑都がいない最終ラインは若返りを印象付けたが、4−2−3−1のフォーメーションを採り、要所に経験者を組み込んで、森保監督が積み上げてきたベースを保つつ、変化するという意図を感じさせた。

 ただ、W杯経験組も一緒にピッチに立った機会があまりないためか、序盤はプレスが空転し、パスもつながらない場面が散見した。相手の技術の高さもあるものの、日本はなかなかリズムを作れず、自陣から出られない時間が長くなった。

 それでも自陣でボールを奪って、21分にはシュートシーンを生み出す。鎌田のワンタッチパスを受けた菅原が右サイドから裏に抜け出す浅野に精度抜群のアーリークロスを差し込んだ。シュートは枠を逸れたが、大きなチャンスだった。30分前後にも右から堂安、菅原がクロスを送りゴールをうかがったが、ネットは揺れず。逆に38分、ウルグアイにゴールを献上することになる。

 後方からのパスを浅野が相手を背負って受けるが収めきれず、ボールを奪われると、ウルグアイにつながれ、バルベルデのシュートを許す。ポスト直撃で跳ね返ったところを再びバルベルデに頭で押し込まれた。

 ウルグアイのリードで迎えた後半、1点を追いかける日本は自陣でボールを握るものの、相手ゴールへのルートを切り開けない時間が続く。54分には三笘が長い距離をドリブルで持ち運び、ボックス内に走り込んだ浅野にパスを通すが、シュートは相手に防がれた。

 日本は選手交代で流れを引き寄せにかかる。61分に堂安から伊東、浅野から上田に交代。伊東の投入は右サイドを活性化させ、深い位置からクロスが供給されるようになった。さらに74分に鎌田から西村、守田から田中に代わると、ゲームのテンポも変わる。

 自陣深い位置で瀬古が密集を抜けるつなぎのパスを出し、右に攻撃を展開。菅原からのボールを受けた伊東が右サイドを攻略してマイナスのパスを供給。上田がニアで潰れ役になり、スペースに飛び込んだ西村が左足を合わせて同点ゴールを記録した。西村によれば「前日練習でやっていたプレー」だったという。

 その後はオープンな展開となり、互いに攻め合ったものの、得点は生まれず。森保ジャパンの初陣は1−1のドローという結果に終わった。

 森保監督は「勝てなかったのは残念だったですが、2026年に向けてこの試合で勝ち切ろうという気持ちは、選手たちが届けてくれたと思います」と試合後にコメント。ビルドアップや奪ってからボールの動かし方という課題を修正し、次戦、28日のコロンビア戦に向かいたいと話した。

・日本代表メンバー:GKシュミット・ダニエル、DF菅原由勢(89分:中村敬斗)、板倉滉、瀬古歩夢、伊藤洋輝、MF遠藤航、守田英正(74分:田中碧)、堂安律(61分:伊東純也)、鎌田大地(74分:西村拓真)、三笘薫(89分:三笘薫)、FW浅野拓磨(61分:上田綺世)

・ウルグアイ代表メンバー:GKロチェト、DFブエノ、ジオバンニ・ゴンサレス、オリベラ、コアテス、MFペシノ、ウガルテ(77分:カルバジョ)、ペジストリ(68分:カノピオ)、バルベルデ、FWロッシ(68分:トーレス)、マキシ・ゴメス(84分:ホナタン・ロドリゲス)