上写真＝堂安律は先制ゴールを導くクロスを見せたが、敗退の悔しさを隠さなかった（写真◎Getty Images）
■2022年12月5日 カタールW杯 ラウンド16（アル・ジャノブ）
日本 1-1（PK1-3）クロアチア
得点者：（日）前田大然
（ク）イバン・ペリシッチ
「決めきれなかった試合内容が問題」
「いまの言葉を探すのは難しいですね」
試合直後、堂安律の正直な気持ちだ。
ドイツとスペインからゴールを奪ったレフティーが、今度はクロアチアに向かっていった。右のシャドーとして相手の中盤と最終ラインの間で何度もボールを引き出し、この日も危険な存在であり続けた。
CKのキッカーも務め、44分には先制ゴールを導き出した。右からのショートコーナーを選択し、もう一度受け直すと、左足で鋭いクロス。これが相手ミスを誘ってこぼれたところを前田大然が蹴り込んだのだ。
55分に同点に追いつかれたが、守備でも奮闘しながら、60分にはゴール中央で遠藤航の短いパスを受けて、倒れ込みながらもシュート。しかし、GKの正面を突いた。1-1のまま進んだ87分には南野拓実と交代。延長戦もスコアは動かず、1-1でPK戦に入り、1-3で敗れることになった。
「後半途中からもっとチャンスを作れたと思いますし、PK戦に関しては誰も責めることはできないので、決めきれなかった試合内容が問題だなと思います」
決めるか決めないか。どの試合でも重要だが、この日はお互いに決めきれなかった。試合そのものには負けたわけではない。それでも、謝罪を口にした。
「本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。たくさんの応援は届いていたので、期待に応える思いでしたけど、選手全員が準備していたので本当に申し訳ないです」
史上最高のベスト8を目の前にして、ほんのわずか届かなかった。悔しいに決まっているが、毅然とした姿勢は失っていない。
「受け止めなければいけない現実なので、しっかり受け止めて前に進んでいきたいと思います」
次の時代を作るのは、この男だ。