キャプテンの吉田麻也は冷静だった。カタール・ワールドカップに向けた貴重な準備となる9月シリーズの2試合。まずは9月23日のアメリカ戦に2-0で勝利を収めた。危なげない試合運びだったからこそ、キャプテンは「良かったことの分析」を求めている。

上写真=吉田麻也は自身のコンディションも良さそうで、1対1もクールに止め続けた(写真◎Getty Images)

■2022年9月23日 国際親善試合(@デュッセルドルフ・アレナ)
日本 2-0 アメリカ
得点:(日)鎌田大地、三笘薫

「どうやって戦うかを固める必要がある」

 前半は冨安健洋、後半は伊藤洋輝。キャプテンの吉田麻也は新しいデザインのユニフォームに身を包み、赤いキャプテンマークを巻いて、前半と後半で異なる若手とセンターバックを組んだ。

「いい試合ができたと思います」が試合後の第一声だ。

 アメリカも前半と後半で大きくメンバーを変えてきて、連係にズレを見せたこともあるが、日本はハイプレスがよく効き、パスが届く場所を予め推測できる守備が機能して、センターバックとしては危なげがなかった。

 だが、諸手を挙げて喜んでいる段階ではない。ワールドカップまで2カ月。この9月の2試合が、チームとして積み上げのできるラストチャンスだ。

「本戦でどう戦うかの最終段階に来ていますが、しっかり把握して、勝っているとき、負けているとき、いろんなシチュエーションの中でどうやって戦うかを固める必要があると思います」

 細部に目を向ける時間を過ごしている。

「なぜうまくいったのかを分析して、次のエクアドル戦に向けて準備しないといけないと思います」

 勝つことができた理由をしっかりと把握して、共有することがチーム力アップにつながる。その目的は「たまたまではなくて、いつも出せるようにしていかなければいけない」こと。偶然に頼る戦いでは、目標のベスト8には届かない。

 自身のコンディションも良さそうだ。今回はドイツで2試合を戦うが、今季からドイツのシャルケに移籍して高い評価を受けている。新しい環境が刺激になって、フレッシュな状態にある。

「当たり前ですけどいつも(失点を)ゼロに抑えることを意識していますし、フレンドリーマッチなので前後半でメンバーやポジションが変わりましたけど、その中でもしっかりと締めるところを締めたのは大きいと思います」

「良い分析」の結果を、これからの日本代表にどう落とし込んでいくか。キャプテンとしての手腕が楽しみだ。