上写真=相馬勇紀はホームとなる豊田スタジアムで韓国をぶち抜いてみせる(写真◎早浪章弘)
「入れ替われば数的優位になる」
何度も何度も、ドリブルで仕掛けた。何度も何度も、クロスを送り込んだ。それでも、ゴールを割ることはできなかった。
「相手がブロックを敷いた中で、打開策としてドリブルで一人はがすとチャンスが生まれると思っていたので、仕掛けるところを意識していました」
相馬勇紀はE-1選手権第2戦の中国戦では、81分にピッチに送り込まれた。スコアは0-0だから、とにかく1点がほしかった。しかし、ゴールは遠かった。それでも、突破してはラストパスを送って、を繰り返して、そのドリブルが大きな武器になることを改めて証明した。
「一人をかわしたところで上げるところが多かったけれど、奥深くまで、ゴールエリアの横まで入ることは相手も嫌だと思って、そこまで行くことが大切だと改めて感じました。そこをもっとやっていきたい」
84分に左で一人を抜き、カバーに入った選手をさらに縦に抜いてからゴールラインぎりぎりのところでマイナスに折り返すと、杉岡大暉がニアで狙った。ポストをなめるようにわずかに左にそれたものの、深く入れば入るほどチャンスになることを身を持って示した。
もちろんそれは、優勝をかけて戦う7月27日の最終戦、韓国との決戦でも武器になる。
「韓国は球際は激しいけれど、勝てる気しかしていません。絶対に戦う姿をピッチで示せればと思います」
3年前の前回大会でも最終戦で韓国と激突し、相馬は後半から投入されたものの1点に泣いて優勝をさらわれた。同じことはさせない。
「チームのために走ることと、チームのために戦うこと、ゴールやアシストをすることが自分の仕事です。ピッチがあまり良くなくて、インサイドパスが急に跳ねたりする難しいコンディションなので、より球際のところが大切になってきます。そこでマイボールになって入れ替われば数的優位になるので、球際で上回って、そこからのクオリティーを高めてゴールにつなげる、という2つを意識できればと思います」
名古屋グランパスに所属する相馬にとっては、豊田スタジアムは大切なホームだ。韓国に勝手な真似はさせない。