E-1選手権で日本は1勝1分けの勝ち点4で最終戦に向かっていく。中国戦は痛恨の0-0のドローとなったが、62分からピッチに立った杉岡大暉の実感は「効果的なプレーができなかった」。個人戦術を生かした少人数のユニットを作って、韓国戦に挑む。

上写真=杉岡大暉は香港戦のフル出場に続き、第2戦で62分からプレー(写真◎早浪章弘)

「困惑させることはできませんでした」

「0-0で入ってチャンスをもらって、リズム変えようと思いましたけど、引いた相手に効果的なプレーができませんでした」

 杉岡大暉の偽らざる実感だ。E-1選手権の第2戦、中国戦の62分に佐々木翔に代わって左サイドバックとしてピッチに入った。84分には相馬勇紀の折り返しに合わせたシュートがわずかに左に切れるビッグチャンスも迎えたが、5バックが引きこもって守りを固める相手を崩せずに、0-0のままタイムアップの笛を聞いた。

 もちろん、堅守をはがす工夫をイメージしながらピッチに入った。

「僕自身は4バックの左サイドなので、ポジショニングを意識して入りました。例えば中に入って外で1対1を仕掛けさせたり、逆に僕が開いてサイドハーフを中に絞らせて、という連動は意識はしていました。でも、なかなかうまく相手をコントロールできずに、相手を困惑させることはできていませんでした」

 急造チームの難しさで、コンビネーションの深さはやはり足りない。だからこそ「個人戦術」の重要性を口にする。

「チームというよりは、もっともっと個人戦術でできると思うので、2、3人のグループでその場で対応していかなければいけないと思います」

 そんな少人数のユニットを基盤にしてからピッチ全体に広げていくイメージで、韓国との最終戦に挑んでいく。勝ち点6の韓国と4の日本の「決勝戦」は、勝てば優勝だ。

「日韓戦は伝統があって、テレビでよく見て激しい戦いになっていた印象があるので、チャンスをもらえたら自信を持ってプレーして勝利のために戦いたい」

 その左足のキックとスピードを遠慮なく出し切りたい。11月のワールドカップへ向けた最後の挑戦になるかもしれないからだ。

「そこまで先を見るよりは、この大会、目の前の試合にかけてやって、その上で先につながると思います。強く意識はすることはなく、目の前の試合に勝つこと、自分を出すことにフォーカスしています」