日本代表MF野津田岳人が、7月22日にオンライン会見で報道陣の質問に答えた。期限付き移籍から二度目のサンフレッチェ広島復帰となった今季、ついに覚醒の時を迎えたレフティーが、28歳でのA代表初選出への驚きなど、現在の心境を語っている。

上写真=2016年以来の代表活動。野津田はオンライン会見で心境を語った(写真◎スクリーンショット)

昨季が「大きなターニングポイント」

 U-15から各年代の代表でプレーしてきたが、A代表は初選出で、代表活動は2016年のU-23代表以来6年ぶり。「代表での活動は、めちゃくちゃ久しぶりなので、すごく新鮮で楽しい」と心境を語った野津田は、「いろいろな刺激をもらえるので、本当に充実している。この活動に参加できて、すごく楽しいです」と声を弾ませた。

 日本代表を率いる森保一監督は、サンフレッチェ広島ユース所属の高校3年生だった2012年に、Jリーグデビューを果たした当時の指揮官で、横内昭展コーチや下田崇GKコーチも広島時代にともに戦っている。森保監督からはコンディションへの気遣いがあったといい、「横内コーチや下田コーチとも久しぶりに会えて、すごく懐かしい感じ」と再会を喜んでいた。

 広島市出身で、ジュニアユースから広島のアカデミーで育った地元出身の生え抜き。高校3年時のJデビューが示すように、早くから大きな期待を集めていたが、広島で確固たる地位を築くまでには時間がかかった。

 デビューした2012年から15年までの4年間に広島が3回のJ1制覇を果たしたこともあり、なかなか定位置をつかむには至らず、16年の開幕後にアルビレックス新潟に期限付き移籍。その後も清水エスパルス、ベガルタ仙台に期限付き移籍し、18年まで3年間、広島を離れた。

 満を持して広島に復帰した19年、あこがれていた森﨑浩司氏が現役時代につけていた背番号7を受け継いだものの、思うように出場機会を得られず。アタッカーからボランチにポジションが変わっても状況は好転せず、昨季はJ2のヴァンフォーレ甲府に期限付き移籍した。

 ここで41試合に出場し、ボランチとして多くの経験を積んだことが「大きなターニングポイント」になったという。「甲府でたくさんの試合を経験できたことで、得られたものがたくさんあった」と振り返り、「試合を重ねることで試合勘とか、いろいろなものが見えてきた」と自身の成長を語った。

 二度目の復帰となった今季、ついに広島でアンカーとして不動の存在となり、28歳でA代表初選出。「代表になりたいという目標は常に掲げていましたが、1年前からすると想像できないような状況」と語り、「現状に自分自身も驚いているし、そのぶん、すごくうれしい」と心境を明かした。

 E-1選手権は残り2試合。チャンスをつかむために「コンセプトの部分をミーティングで見せてもらい、自分なりにやり方も分析していたので、まずそこに合わせること」をポイントに挙げ、「アグレッシブにやる。プラスして、自分の武器を出せるようにしていきたい」と意気込んでいた。