上写真＝E－1選手権からステップを目指す相馬勇紀（写真◎Getty Images）
自信はあります
「心に来るものがありました」
6月シリーズを外から見つめていた相馬は、やはり心中穏やかではいられなかったという。なぜなら昨夏、東京五輪をともに戦った選手たちが代表に名を連ねていたからだ。その光景をテレビ画面越しに見つめるしかない状況は、「心に来るものがあった」のだ。
E－1選手権は、仲間のステップアップを外から見るだけではなく、割って入っていくためのきっかけとしたいところ。東京五輪代表として森保一監督のサッカーを知っている。Ａ代表の戦いぶりを見るなかでも違和感はない。自身がプレーするイメージもできている様子。
「自信はありますし、スピードだったりとか、走力の部分で誰にも負けないっていうか、負けたくないと思ってます」
現在の代表常連組にはスピードを武器とする選手が多いが、彼らにも「負けたくない」と相馬は言い切る。相馬は攻撃だけではなく、守備でも走力を生かせるタイプ。所属する名古屋で左ウイングバックとしてプレーするなど、プレーの幅を広げている。成長を期す相馬が一つの基準としているのは昨年、五輪で戦ったスペインだ。
「世界のトップで戦っている選手たちを肌で感じ、、違いみたいなものを少し感じることができました。やっぱり、そこの基準は常に忘れないようにやってきた」
ワールドカップで日本は、そのスペインとグループステージで対戦する。五輪を経てＡ代表に定着している三笘薫や田中碧らはその差が縮まっているのか、広がっているのか、体感できる立場にあると言えるだろう。相馬も当然、自ら差を確かめたいはずだ。
「（彼らが）日本を勝たせてる姿を見て、刺激になるというのが一番、表現としてあっていると思いますが、自分がそこに選ばれるだけの活躍をしていたかっていったら、まだまだ足りなかったと思う。碧もそうだし、薫も数字で示してる。大事なのはそこかなと、再認識させられている」
数字、目に見える結果にもこだわりたいと相馬は話す。「当落線上より下」にいる自分が代表で生き残るには「得点に絡むこと」が必要と自覚する。「最後にやっぱり必要だよね」と思われるために、Ｅ-1で求めることは明白だ。きっちり結果を出して、相馬は、E-1経由カタールＷ杯行きの道を切りひらくーー。