7月19日に開幕する『EAFF E-1サッカー選手権2022決勝大会』に向けて、日本代表が動き出した。10人もの初代表選手が集まるフレッシュなチームの中で、山根視来のリーダーシップはチームの礎になる。自己アピールとチームの勝利の両方を手にするために、強調するのは「コミュニケーション」だ。

上写真=山根視来は11キャップ。今回のメンバーの中では4番目に多い(写真◎スクリーンショット)

「3戦全勝して必ず優勝したい」

 2021年3月の日韓戦で日本代表デビューして、いきなり初ゴール。そこから約1年4カ月が経過して、いまでは山根視来の名前は日本代表のリストに当然のように書き込まれている。

 しかし、山根にとっては「当然」ではあり得ない。

「危機感を持っていないことは一度もないので、これまでと変わりはありません。自分は代表の試合で全部出してアピールする立場であることは今回も変わらないので、自分の中で覚悟を持っていくだけです」

 7月19日から始まるE-1選手権は、Jリーグのクラブに所属する選手で構成された日本代表で臨む。初代表も10人いて、キャップ数で言えば4番目に多い11を数える山根は、自然と今回のチームではリーダー格になる。

「一緒にプレーしたことがない選手がほとんどなので、自分がスムーズにやるためにも、チームがスムーズにいくためにも、コミュニケーションを取ることが大切になります」

 刺激し合える新しい仲間との意思疎通は、自身の成長のきっかけにもなる。例えば同じ右サイドバックでは、ライバルクラブである横浜F・マリノスで活躍する小池龍太が初めて選ばれている。

「運動量があって左右のサイドバックも中盤もできて、マリノスにとって重要な選手の一人だと思います。中盤での関わり方やサイドでの崩しの部分は参考になります」

 それが代表チームの醍醐味の一つでもある。目の前で見て、学び取る。これまでの代表活動で、「いろいろな選手と組んでいく中で、どういうプレーが得意なのかを見極めて絡んでいくことができたのは、自分の中の発見でした」とメリットを享受している。その上で、自分が何をチームに与えられるか。

「自分か入ったらどうなるか、それを結果で示さなければいけないし、特徴であるゴールに絡むプレーは意識してやりたいと思っています」

 ほとんどトレーニングの時間が取れない中で、新しい選手たちと理解し合い、香港、中国、韓国と戦って、かつ11月に控えるワールドカップに向けた競争も戦い抜く。そんな難しい大会のテーマは、シンプル。

「勝ってからの評価になると思うので、チームとして3戦全勝して必ず優勝したい」