長期離脱から復帰し、今回の代表活動で別メニューが続いていた冨安健洋(アーセナル)に、チュニジア戦で復帰する可能性はあるのか。12日の練習では全メニューをこなし、右サイドバックを想定したクロス練習も行っていたが、森保一監督は起用について、リスクを十分に考慮する必要があると語った。

上写真=昨年11月以来、代表活動に参加した冨安健洋。有意義な時間を過ごしていると語った(写真◎Getty Images)

11日から全体練習に合流も…

 冨安健洋は11日に全体練習に復帰し、12日もすべてのメニューをチームとともに消化した。冒頭15分のみ公開となった前日練習でもスパイクを履いてボール回しに参加していた。

 だが、14日のチュニジア戦の出場については慎重に進めることになりそうだ。森保一監督は前日会見で冨安の状態を問われ、「チームの全体練習に合流しているので出られる可能性も考えて、今日(13日)の練習後にメディカルスタッフ、ドクターと相談する。ただ、長期離脱から2、3日の練習でいきなりハイインテンシティーの国際試合でできるかどうか。非常にリスクになるので慎重に考えたい」と答えた。

 冨安本人は当然、出場したい思いがあるだろう。その一方で、昨年11月以来の代表活動で、「ミーティングにも参加し、日本代表のベースを改めて把握することができた。選手同士で細かい話し合いをするのは、実際に会わないと難しい部分もあるので、そこはポジティブ」とともに過ごした時間が有意義だったと説明した。「本大会前に長い期間、キャンプができるわけではないので、最後まで居させてもらっている」と、万全の状態ではないながらも参加した理由も明かしている。

 選手として1シーズンケガなくプレーすることができず、「一人のサッカー選手として、まだまだやらないといけないことがある」と悔しさを口にした冨安は、プレミアリーグで1シーズンを過ごし、自身の課題をはっきり把握したとも語る。「手を抜くわけではないけれど、常に100パーセント、120パーセントの力でやるというところを、80パーセントくらいの力で、うまくやらないといけない。他の選手を見ていると最後まで足をつったりしないし、高いインテンシティを持ったままやっている」。それを可能にするには、そもそもの100パーセントのレベルを高い位置に引き上げねばならないという。つまり、これまでの100パーセントを、80パーセントの力で出せるようなレベルに到達するということ。そうすることでハイインテンシティーが求められるプレミアリーグを戦い抜くことができるというのだ。

 1月にふくらはぎを痛め、復帰後、今度はハムストリングを負傷。苦しい時期を過ごしたが、いまは順調に回復し、全体練習に合流するまでに至った。森保監督の説明からすると、チュニジア戦は「無理をさせない」可能性が高いが、本番はあくまで11月に開幕するカタールW杯。そこでベストな状態であることが重要であり、今回はリスクを冒す必要はないだろう。「W杯ではドイツ、スペインと当たり、アジア相手よりも数段レベルは上がる」と話す冨安は、プレミアリーグでさらに経験を積み、そのすべてを代表にも還元したいという。残り5カ月。冨安の進化は、そのままチームの進化にもつながっていく。