上写真=6日のブラジル戦では後半からプレーした鎌田大地(写真◎JMPA小山真司)
あとは自分たちが成長するだけ
ブラジル戦で後半から登場した鎌田は、劣勢の中にあって個性を示していた。相手の当たりをいなす身のこなしと繊細なタッチでプレッシャーの中でも状況に応じたプレーを選択。味方にボールをつないでみせた。ゴールを生み出す決定的な仕事はできなかったが、パラグアイ戦に続き、何かを起こす期待感をその身にまとっていた。
ただ本人は「ブラジルは本当に強いと実感しました」と相手の強さを素直に認め、0-1というロースコアの決着ながら、その差を感じ取っていた。「自分たちがブラジルに劣っているのはプレーしているチームを見ても歴然だった」とし、「ああいうチームがW杯優勝を目標にするようなチーム」とコメント。今回の一戦について、「自分たちとの差を理解して、あとは自分たちが成長するだけ」と振り返った。
その差の中身についても鎌田は言及したが、その一つが「カウンターの鋭さ」だ。「守備は頑張っていました。でも攻撃にうまく切り替えられなかった。相手は(ボールを)失ったときに怖さを感じなかったと思う」。日本は森保一監督体制になってから、切り替えの早さを求め、徹底して鍛錬を積んできた。「もっとうまくできるようになれば、もっと上のチームとも良い戦い方ができる」というのは、鎌田の偽らざる実感だろう。
ただ、その言葉からもわかる通り、今はまだその段階にない。攻めに転じ、つなぎを試みてはいたものの、ボール奪取から一気に相手ゴールに迫るようなプレーは少なかった。
「ボールをうまく取ることが大事」とも強調する鎌田は、日本が引いた際には「ブラジルも崩せなかった」と実感したという。それと同時に「ブラジルがチャンスにするのもボールを奪ってからのショートカウンターだった」と指摘。ボール保持かショートカウンターかをケース・バイ・ケースで選択し、実践することが現代サッカーに必要だと改めて語った。
いつ、どこでボールを奪うか。そしてそこからどう振舞うか。6月シリーズの残り2試合のポイントにもなる。