日本代表FW浅野拓磨が、チャンスを生かして先制点を決めた。3トップの中央で先発したパラグアイ戦で4-1の勝利に貢献したものの、カタール・ワールドカップ(W杯)のメンバー入りに向けて、さらなる活躍を誓っている。

上写真=6月シリーズの初ゴールを決めた浅野。GKとの1対1を冷静に沈めた(写真◎Getty Images)

■2022年6月2日 キリンチャレンジカップ2022(@札幌ドーム/観衆24,511人)
日本 4-1 パラグアイ
得点者:(日)浅野拓磨、鎌田大地、三笘薫、田中碧
    (パ)デルリス・ゴンサレス

「落ち着いていたかな」

 なかなか均衡が破れなかった試合を動かしたのは『ジャガー』だった。36分、DF伊藤洋輝のロングフィードを敵陣中央で受けてMF原口元気に落とすと、すぐさま前線のスペースへフリーラン。原口のスルーパスで抜け出してGKと1対1になり、チップキックで浮かせてネットを揺らした。

 メインスタンドに向かって『ジャガーポーズ』で喜びを表現した浅野は、試合後のオンライン会見で「抜け出した時点で自分の間合いではあったので、いろいろな選択肢がある中で、GKの位置を見て浮かせる選択をした。落ち着いていたかな、というのが率直な感想」と振り返った。冷静なフィニッシュだったものの、「入るか入らないかは五分五分の確率だったと思う。入ってよかったです」とも語っている。

 4試合を戦う今回の6月シリーズは、前回は落選となったカタールW杯のメンバー争いも重要なテーマ。5月30日のオンライン会見でも「この4年間、前回行けなかったときから、次のワールドカップに向けて準備してきた」と語っており、「残りの半年が、いかに大事かは経験している。ここからの時間を、いままで以上に良いものにしていかないと」という思いを、シリーズ初戦でぶつけて結果を出した。

 ただ、本人は決して満足していない。メンバー入りへ抜け出したのではないか、との報道陣の問いに「アピールは多少つながったのかなと思いますけど、まだまだ僕の実力だと抜け出したどころか、追い上げて、みんなに追いついていかないと、という立場だと思う」と厳しい表情。その上で「残りの試合でもっとアピールする。この4試合に自分のすべてを懸けるつもりですが、その後の準備も含めて、自分でやるべきことをコツコツやるしかないのかなと感じている」と決意を新たにしていた。